[メイン]
GM :
【シナリオトレーラー】
病室の窓辺にひらりと落ちる、一枚の枯れ葉。
激動の日々は、閑散とした惰性の日に変わってしまった。
生を受けた者の末路とは、誰しもがこのようなものなのだろうか。
ああしておけばよかった。
こうしておけばよかった。
尽きない後悔。
戻ることのできない片道キップの果てで、人は何を掴む?
ダブルクロスthe 3rd edition
『Dead leaf life』
"ダブルクロス"────それは裏切りを意味する言葉。
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM : opening『Hello, "Overed"』 登場:無し
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン]
キャッツトリック :
やぁやぁ~私は君達の連絡員をすることになったキャッツトリックだよん
よっろしく~
[メイン] キャッツトリック : とりあえず今回の任務だけれども~
[メイン]
キャッツトリック :
Y市中央病院で、足腰が動けないはずのご老人さんが
まるで消えていなくなったかのような
そういう失踪事件が今、起きていてね
[メイン]
キャッツトリック :
それで調査は難航中、というのも痕跡が本当に全く無いらしいからね
それで……R担の方から連絡がありましてね
どうやら……"黒い霧"と呼ばれる、ちょっと有名なマーセナリーが
そのY市中央病院内に潜入していたことが明らかになってて
[メイン]
キャッツトリック :
そこでUGNに協力をお願いされたって感じだねぇ
この事件、FHがもしも絡んでいたとしたらウチらが対処しなくちゃだし?
[メイン]
キャッツトリック :
とりあえず本目的は、失踪したお爺ちゃん!
名前は資料に書いてある通り、「瀧本 豊則」さん
この人の行方を追ってほしいかな?
[メイン]
キャッツトリック :
もしもR案件じゃないならそのまま警察に引き継げばいいし
そうじゃないなら
[メイン]
キャッツトリック :
"現場判断"ってことで!
それじゃ、よろしく~
[メイン] キャッツトリック :
[メイン] キャッツトリック :
[メイン] キャッツトリック :
[メイン]
GM :
〇情報項目
・"黒い霧"について
・瀧本 豊則について
・Y市中央病院でレネゲイド反応検査
[メイン] GM :
[メイン] アクエリアス : middle 「attention please」 登場:任意
[メイン] アクエリアス : 35+1d10 (35+1D10) > 35+4[4] > 39
[メイン] system : [ アクエリアス ] 侵蝕率 : 35 → 39
[メイン] 本間 白銀 : 30+1d10 登場/リザレクト (30+1D10) > 30+1[1] > 31
[メイン] system : [ 本間 白銀 ] 侵蝕率 : 30 → 31
[メイン] 櫻田修 : 37+1d10 登場/リザレクト (37+1D10) > 37+8[8] > 45
[メイン] system : [ 櫻田修 ] 侵蝕率 : 37 → 45
[メイン] アクエリアス :
[メイン] アクエリアス : 「中々悪くないドライブ日和ですネ」
[メイン] アクエリアス : 歩道に人が見当たらない国道を走るクラウン。振動は極限に抑えられ、車窓越しに冬のY市の景観がただ流れていく。
[メイン] アクエリアス : 「私、こういう日は結構好きなんですよネ」
[メイン] アクエリアス : しかし、天気は生憎の曇天で、日差しはまるで差し込んでいない。日中だというのに、どんよりと外は寒気と乾燥した微風で満たされている。
[メイン]
アクエリアス :
稀に歩道で見かける歩行者も、どこか億劫そうに歩いている人ばかりだ。少なくとも陽気な日取りではない。
だが、ハンドルを握る銀髪蒼瞳の男……UGNエージェント『アクエリアス』は、上機嫌な様子でドライブを楽しんでいた。
[メイン]
本間 白銀 :
「おや、この寒さがお気に入りですか?
それは一体、どういう理由でしょうか?」
[メイン]
櫻田修 :
「ドライブ日和…なんですかね?」
不思議そうな顔で首を傾げて
[メイン]
本間 白銀 :
彼女は目を閉じたまま、アクエリアスへと顔を向ける。
先ほど許可を取って窓を開いたが、薄着の白銀には応えたのですぐに閉じた。
[メイン]
本間 白銀 :
「ああ、もしかして……晴れてはいても、雲に陰りが見えているとか?」
空は曇り一目瞭然のことだったが、彼女にはわからないかのように。
[メイン] 櫻田修 : 「いやぁ…曇天そのものって感じですね」
[メイン] アクエリアス : 「簡単な話ですヨ」
[メイン] アクエリアス : クスクスと口元だけで笑いながら、アクエリアスは手元のブレスをジャラつかせて片手を軽く仰ぎ。
[メイン] アクエリアス : 「人を跳ねる心配がありませン」
[メイン] 櫻田修 : 「な、なるほど…」
[メイン] アクエリアス : そう言って、大きな交差点の赤信号で止まった。しばらく、青信号にはなりそうにない。
[メイン]
本間 白銀 :
彼女のひざ元には栞を挟んだ本が置かれていたが。
その言葉に、慌ててそこからずり落ちそうになる。
[メイン]
櫻田修 :
「確かに人は少ないな…」
学校帰りに拾われ、今一つ状況を飲み込み切れぬまま
目から鱗が落ちたような顔で歩道を見て呟く
[メイン]
本間 白銀 :
「それは、運転者特有のあるあるなんでしょうか……?」
運転したことのない身にはわからないものだった。かといって運転してもらっている彼には頭は上がらないのもまた事実。
[メイン] アクエリアス : 「運転下手だとそうなんじゃないですかネ? それより、仕事の話をしましょうカ、お二人共、キャットトリックさんからはどれくらいお話をきいていますかネ?」
[メイン] アクエリアス : 暗に自分の運転技術がろくでもないということを仄めかしながら、アクエリアスは二人に尋ねる。先程の言葉を肯定するように、ハンドルには軽く項垂れかかっていた。運転マナーが良好とは言えない。
[メイン] 櫻田修 : 「病院からご老人が突然失踪、その病院にマーセナリーがってとこまでですね」
[メイン] 櫻田修 : そんなアクエリアスの様子を見て、一応自分のシートベルトの確認をしながら返す
[メイン]
本間 白銀 :
運転してしまい事故を起こした、ではシャレにならない。
通常でもそうだが、私たちは今から行方不明になった方を探しに行くのだ。
つまりは────もう起きている事故の調査。
[メイン] 本間 白銀 : 櫻田にこくりと頷き。
[メイン]
櫻田修 :
「えーっと確か……ああそうだ。瀧本豊則さんを探すのが目的だそうですね」
資料を軽く漁り、目的の人物の名を見つけて
[メイン] アクエリアス : 「ザッツライ~」
[メイン] アクエリアス : 恐ろしくイントネーションが怪しい英語で肯定しながら、パチンと指を鳴らす。
[メイン]
本間 白銀 :
資料をめくる音に、自らの資料を確認する。
呼ばれるとともに手渡され、全員集合する暇もなく駆り出された。
[メイン]
本間 白銀 :
それはつまり、この事件が急用だということを示してもいるのだろう。
なにせ、人一人が消えるというのは重大事件だ。
病院という施設にいるにもかかわらず、その中でご老人の行方が取れない。
[メイン]
櫻田修 :
「これからその病院に向うんですか?」
病院の人は今頃相当困ってるだろうなぁ…と呑気に想像して
[メイン] アクエリアス : 「まァ、それは調査次第ですかネ。調査の結果、レネゲイド案件でなければ、我々が対応しなければいけないのは関わっているらしいFHマーセナリについてだけですからネ」
[メイン] アクエリアス : UGNはあくまでレネゲイドに対して行動する組織であり、普通の行方不明事件は管轄外である。レネゲイドが関わっていなければ、警察に任せておしまいだ。
[メイン] アクエリアス :
[メイン] アクエリアス : ・瀧本 豊則について
[メイン] GM : 8
[メイン] アクエリアス : 2DX+2 情報UGN (2DX10+2) > 8[7,8]+2 > 10
[メイン] GM :
[メイン]
GM :
・瀧本 豊則について
下町の花火職人の男。60代後半。
脳の血管が破けてしまったことにより、足腰を動かす機能が停止してしまい
Y市中央病院にて、数年単位で入院している。
彼について分かっているのは、症状が重症ということもあり、そう長くは持たないこと。
そして、彼の見舞いに来る者達が、入院して以来誰一人もいないということだ。
どうやら、瀧本 豊則は非常に厳格で、敵を作りやすく、自分の子供達にも厳しく接していただとか。
[メイン] GM :
[メイン] アクエリアス : 「見ての通り、瀧本さんは我々の世界と関係あるタイプには一見みえませんからネ」
[メイン] アクエリアス : 座席の後ろにあるファイルには、個人情報保護なんて言葉がバカバカしくなるような調査資料が、無造作につっこまれていた。秘密結社の調査網にかかれば、一般人の情報などザルも同然だ。
[メイン]
櫻田修 :
「確かに…普通の頑固な爺さんって感じだな…」
それらのファイルを読み上げたあと、感想をこぼす
[メイン]
本間 白銀 :
「厳格な方……であれば、FHが関わるかもわからないですね
そもそも、接点も見えにくいですが……」
[メイン]
本間 白銀 :
本屋にも気難しい方というのは来店されることはある。
そのため、厳しい老人という情報はすんなり通ったが。
[メイン] アクエリアス :
[メイン]
本間 白銀 :
点字で書かれた情報を確認しながらも。
……誰一人もいない、ですか。……性格もあるとはいえ、中々……寂しいものかもしれませんね。
[メイン]
本間 白銀 :
そんな個人情報ですら、目の見えない者への配慮を行っている。
UGNにもこうした配慮を行えるほど、規模の大きさがうかがえる。
[メイン] 本間 白銀 :
[メイン] アクエリアス : 「何はともあれ調べなければ何も進まないわけですヨ」
[メイン] アクエリアス : 「さて、ここで問題でス」
[メイン] アクエリアス : 未だ変わる気配さえない赤信号を後目に、アクエリアスが指を一本立てる。
[メイン] アクエリアス : 「情報不足の我々に今足りない物はなんでしょうカ?」
[メイン] 本間 白銀 : 「物語の登場人物……およびこの事件に関わる人材……でしょうか?」
[メイン] 櫻田修 : 「んー…あとは情報収集が得意な人材、ですかね…?」
[メイン] アクエリアス : 「詩的な表現と具体的な表現ですネ、好きですヨ」
[メイン] アクエリアス : クスクスと笑いながら、首肯で持って応え。
[メイン] アクエリアス : 「実はもう一人、『エアリアル』さんという方が来る予定だったんですガ、先程、端末の反応が途絶えてしまいましてネ」
[メイン] 櫻田修 : 「…えっ」
[メイン]
櫻田修 :
「それってヤバいんじゃないですか?」
身を乗り出す
[メイン]
本間 白銀 :
ありがとうございます、と答えようとした所。
その言葉に、首を傾げて。
[メイン] アクエリアス : 「はい、事態は急を要するかもしれませんネ、なので、頭数を増やす必要がありまス」
[メイン] アクエリアス : 「誰か、お知り合いとかいませんかネ? 居なければ、増援を要請することになりますけれド……時間が掛かってしまうでしょうからネ」
[メイン] アクエリアス : 「出来れば、近場で暇そうなオーヴァードの方がいらっしゃると好都合なんですガ」
[メイン]
本間 白銀 :
「……私の方は……少し心当たりがありませんね
櫻田さん、あなたの方はどうでしょうか?」
[メイン]
櫻田修 :
「…そういえば風月さんの事務所が近いか」
よく面倒ごとを持ち込んでは助けてもらっている探偵が脳裏に浮かぶ
[メイン] 本間 白銀 : 首を振りつつも、櫻田の声におや、と反応して。
[メイン]
櫻田修 :
「ええ。一人心当たりが
ちょうどいいことに情報収集にはうってつけの人です」
[メイン] アクエリアス : 「それは重畳」
[メイン] アクエリアス : にやりと微笑む。丁度、信号が青に変わった。
[メイン] アクエリアス : 「では、人員補充は櫻田さんに任せましょうカ」
[メイン]
本間 白銀 :
おぉ、いいですね、と声を上げて。
そして、ちらりと顔を前に向けた。
[メイン] アクエリアス : 「私と本間さんは、エアリアルさんの行方を追いつつ、情報を集めますヨ」
[メイン]
本間 白銀 :
「えぇ、お願いします。私は本の虫でして、あまり人手が多いわけではないので……助かります」
微笑みつつも、そう返して。
[メイン]
櫻田修 :
また面倒ごとを持ち込むことになるな、と苦笑しつつ
あの人以外の適任もまあいないだろうとの確信が心にあった
[メイン] 櫻田修 : 「了解です。そちらは危険かもしれませんから…お気をつけて」
[メイン]
本間 白銀 :
「ええ、よろしくお願いしますね、アクエリアスさん」
こくりと顔を向けながらも、見えない瞳でアクエリアスへと見る。
[メイン]
本間 白銀 :
ただ情報を渡され、すぐに現場に……UGNでは珍しい事でもないけれど、こうした流れは普通、情報の行き届きが不透明になる。
つまりは、事件解決がスムーズに行われないことが多い。
[メイン]
本間 白銀 :
というのにもかかわらず、こうして連絡員代わりにとまとめ上げた。
これがUGN本部エージェント……流石に、手慣れているんですね。と、思いつつも。
[メイン] アクエリアス : 「では、分担も決まりましたし行きましょうカ」
[メイン] アクエリアス : そう言って、アクエリアスは軽快にシフトレバーを操作し、勢いよくペダルを踏み込む。
[メイン] アクエリアス : が。
[メイン] アクエリアス : 「……」
[メイン] アクエリアス : 「あ、こっちブレーキでしたネ」
[メイン] アクエリアス :
[メイン] アクエリアス :
[メイン] アクエリアス :
[メイン] 櫻田修 : middle 「探偵事務所にて」 登場:任意
[メイン] 熱牙風月 : 45+1d10 登場/リザレクト (45+1D10) > 45+1[1] > 46
[メイン] 櫻田修 : 45+1d10 登場/リザレクト (45+1D10) > 45+4[4] > 49
[メイン] system : [ 熱牙風月 ] 侵蝕率 : 45 → 46
[メイン] エアリアル : 42+1d10 登場/リザレクト (42+1D10) > 42+6[6] > 48
[メイン] system : [ 櫻田修 ] 侵蝕率 : 45 → 49
[メイン] system : [ エアリアル ] 侵蝕率 : 42 → 48
[メイン] 櫻田修 :
[メイン] 櫻田修 :
[メイン] 櫻田修 : 乾いた風が、冷や汗かいた体には寒く感じる
[メイン]
櫻田修 :
アクエリアスの運転から解放されたあと、探偵事務所の階段をできるだけ速足で登り
目当ての事務所の扉の前で一呼吸
[メイン]
櫻田修 :
今回の依頼、どう転ぶのかはまだわからない
ただ一つ言えること。それは派遣された同僚も一人行方不明になるほどの危険度がある、ということだ
[メイン] 櫻田修 : 依頼を風月に頼み込み巻き込む、そのことが示す”重さ”に少し胸が痛んだが
[メイン]
櫻田修 :
まあ、あの人の実力なら大丈夫だろう
────────もしもの時は、自分が
[メイン] 櫻田修 : そう決心を固め、チャイムを鳴らす
[メイン] 熱牙風月 : 慌ただしくドアを開き、洒落た帽子に似合わないくたびれた顔の男が顔を出し
[メイン] 熱牙風月 : 「おっと、ご依頼かい? 悪いな、今は……」
[メイン] 熱牙風月 : 気取った声色を少しだしてから…
[メイン] 熱牙風月 : 「なんだ、厄介毎の押し売りか」
[メイン] エアリアル :
[メイン] 熱牙風月 : バタン、と扉を締めた
[メイン] 櫻田修 : 「こんにちは風月さん。急ですけど依頼が────」
[メイン] 櫻田修 : 「あっちょっと!話くらい聞いてくださいよ!」
[メイン] 熱牙風月 : 「お前が良い奴なのは知ってるが、今ものっそい忙しいんだよ!!」
[メイン] 熱牙風月 : 「猫探してたのに迷子拾うわ、変な事件が起きてるわ……ったく!!」
[メイン]
熱牙風月 :
扉の向こうから、疲弊した声が聞こえる
どうにも面倒事が重なっているらしい
[メイン]
櫻田修 :
「そこをどうか…!(オレの伝手だと)風月さんにしか頼めないんですよ…!」
閉じられたドアに向って手を合わせ、頭を下げて懇願する
[メイン] 櫻田修 : 「何か面倒事ならオレもあとで手伝いますから…!」
[メイン] 櫻田修 : 『必勝法・とにかく頼み倒す』を使う青年の声が事務所のある建物に響く
[メイン] 熱牙風月 : 「いや……うーん、だが。 ……いや、やっぱダメだな」
[メイン] 熱牙風月 : 「迷子拾っちまたし、結構泣いてんだ。さっさと親元見つけねえと……えありあるだの、わからねえ事は言うしよ…」
[メイン]
櫻田修 :
「なにっ、『あなたにしか頼めない』で風月さんが落ちないとは…!
………今なんて?」
[メイン] 熱牙風月 : とはいえ、頼りに来てくれた奴をただで返すのも侘しいし……ちょっと手伝うくらいはしてやるか…って、ん?
[メイン] 熱牙風月 : 「わからねえ事は言うしよつったが…」
[メイン] 櫻田修 : 「いやその前ですよ」
[メイン] 熱牙風月 : ドアを開きながら
[メイン] 熱牙風月 : 「迷子拾っちまった…って、そういや。コイツもオーヴァードらしくてな。UGNに保護を……」
[メイン] エアリアル : その会話を聞いてたのか、奥からドタドタドタと……
[メイン] エアリアル : 「うわああああああああん!!修さああああああああん!!」
[メイン]
エアリアル :
段ボールを着た子供が泣いて出てきた
いや、正確には未成年ぐらいに見えるが
[メイン] 熱牙風月 : 「……オメーの知り合いかよ」
[メイン] 熱牙風月 : ポリポリと頬を掻きつつ
[メイン]
櫻田修 :
「…………そうみたいですね…」
ちょっと他人事のふりをしてみたりした
[メイン] 熱牙風月 : 「ま、良かったな。“友達”が見つかって」
[メイン] 熱牙風月 : 二文字ばかり強調しながら話し
[メイン]
エアリアル :
「は…はいい…」
「うっ……ひぐっ……任務中にはぐれてしまってえ…連絡手段もないしもうダメかとぉ……」
[メイン] 熱牙風月 : 「……ま、ここで話すのもアレだから入れよ。これで、こっちの仕事は一つ減ったし」
[メイン]
櫻田修 :
「無事で…無事か? まあ無事で良かったよ…」
大きく息を吐き
[メイン]
櫻田修 :
「はい。失礼します」
軽く一礼して事務所に入るのだった
[メイン]
熱牙風月 :
事務所の机には、幾らか菓子や飲み物が既に用意されている。
エアリアルを宥めようとした名残りだろうか
[メイン]
エアリアル :
「そ…そういえばスマホ無くしちゃって…予備とか持ってませんか…?」
今だ泣きっ面ではあるがなんとか持ち直した様子で修に
[メイン] 熱牙風月 : それをそのまま、もてなしに転用しつつ
[メイン] 熱牙風月 : 「で、お前が一人で動いてねえって事はレネゲイドに纏わる事か?」
[メイン]
櫻田修 :
「予備…予備ね……ほい、仕事用のを貸すよ」
エアリアルにスマホを貸し
[メイン] エアリアル : 「あああ、ありがとうございます!」
[メイン]
櫻田修 :
「レネゲイドが関わるかはまだわからないんですけど…」
資料を渡し、事件のあらましを説明する
[メイン] 熱牙風月 : …資料を読み込みながら、幾つか質問を交えて齟齬を修正しつつ会話を進め
[メイン] 熱牙風月 : 「今、わかってる事は……瀧本さんの身元だけか」
[メイン] 櫻田修 : 「そうですね。S-11さんが調べてくれていた情報だけで…」
[メイン] 櫻田修 : エアリアルのほうを見て
[メイン] 櫻田修 : 「あとは…さっきまで、失踪した彼女を探していたところです」
[メイン] エアリアル : 「あ……アハハ…面目ない…」
[メイン] 熱牙風月 : 「ま、トチは誰にでもある。ひっくり返せればそれで良いさ」
[メイン] エアリアル : 「風月さん…!」
[メイン] 櫻田修 : 「そうそう。とりあえず、エアリアルを攫えるほどの巨大FHセルが事件に関与している…みたいな線は薄くなってほっとしてるよ…」
[メイン] 櫻田修 : 「ただまあ…振り出しには戻りましたね」
[メイン] 熱牙風月 : 「最初の一歩がまた踏めるだけマシ、と考えると気分が良い。 とはいえ、こりゃ急ぎたい案件だな…」
[メイン]
熱牙風月 :
どの様な意図かは不明だが
体を動かすのにも不自由する老体を、そう長々と攫わせておけるもんじゃない
[メイン]
櫻田修 :
「なるほど、金言ですね」
この人はこういうところがポジティブで頼れる…などと勝手に思いつつ
[メイン] 櫻田修 : 「そうですよね…レネゲイドが関わってなくとも、どうにか防ぎたい案件です」
[メイン] 熱牙風月 : 「…おし、善は急げだ。俺達で当たれそうな情報は片っ端から開けて行くぞ」
[メイン] 熱牙風月 : 立ち上がり、コートの襟を立て直すと
[メイン] エアリアル : 「あ…じゃ、じゃあ手伝います!」
[メイン]
櫻田修 :
「わかりました!」
その様子を見てこちらもネクタイを整えてみる
……なんとなく気合が入った
[メイン] 熱牙風月 :
[メイン] 熱牙風月 : 黒い霧に関して調査開始 使う情報は噂話だ
[メイン] GM : 8
[メイン] エアリアル : 砂の加護!ダイス+2です!
[メイン] system : [ エアリアル ] 侵蝕率 : 48 → 51
[メイン] 熱牙風月 : サンキュー
[メイン] 熱牙風月 : 6dx+1 (6DX10+1) > 9[1,4,5,6,8,9]+1 > 10
[メイン] GM :
[メイン]
GM :
・"黒い霧"について
※詳細不明※
[メイン] GM :
[メイン] 熱牙風月 : 「…こりゃ、恐ろしいな」
[メイン] 熱牙風月 : 少し噂を探れば、あっという間に湧き出る狂言じみた風評供 だが、侮る訳にはいかない
[メイン] 熱牙風月 : 自分とて、似た様な能力は持っているのだから
[メイン] 熱牙風月 : 「…猫探しは後回しだな、こりゃ」
[メイン]
櫻田修 :
「邪魔者を消してでも仕事を果たす、ですか…」
事実だとすれば、非常に危険だ。この者の仕事が公共の場に関わっている可能性が、恐ろしい
[メイン]
櫻田修 :
「……改めて、協力ありがとうございます」
風月の言葉に、きっと捨て置かれることはないという確信があったとしても。危険な仕事に巻き込んだ罪悪感から
[メイン] : パキッ
[メイン] : 得られた情報は─────
[メイン] : 消し去られた。
[メイン] エアリアル : 「……ヒイッ!?」
[メイン] 熱牙風月 : 「………」
[メイン] 熱牙風月 : 意図が読めない相手だな
[メイン] 熱牙風月 : 一見、情報を好きに操作できる。と威圧した様に見える、だが。人を遠ざける噂を消して奴になんの得が……
[メイン] 熱牙風月 : 「…今、ここで考えてもしゃあねえ。今のは忘れよう」
[メイン] 櫻田修 : 「そう…ですね」
[メイン]
エアリアル :
「わ…忘れ!?…は、はい…」
一体私達は何と対峙してるのか…ただ漠然とした恐怖があった
[メイン] 熱牙風月 : 「修、エアリアル。そっちはどうだ?」
[メイン]
エアリアル :
「あっはい!ただ今!」
唖然としていたがそんな場合ではないと修を手伝う
[メイン]
櫻田修 :
「はい。こっちの情報は────」
今は、他の問題を気にすべきだ。と”黒い霧”から目を逸らし
[メイン] 櫻田修 :
[メイン] 櫻田修 : ・Y市中央病院でレネゲイド反応検査
[メイン] GM : 13
[メイン] エアリアル : 砂の加護!支援!
[メイン] 櫻田修 : うわ!ありがとう!
[メイン] system : [ エアリアル ] 侵蝕率 : 51 → 54
[メイン] 櫻田修 : ({社会}+{侵蝕率B}+3)dx+1>=13 〈情報:噂話〉
[メイン] 櫻田修 : 🌈
[メイン] 櫻田修 : (3+0+3)dx+1>=13 (6DX10+1>=13) > 10[2,4,6,7,7,10]+7[7]+1 > 18 > 成功
[メイン] GM :
[メイン]
GM :
・Y市中央病院でレネゲイド反応検査
僅かながらも、瀧本氏の病室にて
バロールシンドロームのレネゲイド反応が検出された。
よって本件は、R案件である線が高いであろう。
また、オーヴァードであるあなた達は、そのレネゲイド反応を追っていけば
"目的の人物"と接触することができるであろう。
[メイン] GM :
[メイン]
櫻田修 :
「────とのことですね」
かつてお世話になった病院で、レネゲイド反応が…
脚の古傷を撫でつつ、日常にレネゲイドが侵食し始めていることを実感する
[メイン] 櫻田修 : 「……少なくとも、反応を辿れば瀧本さんを連れて行った人には出会えそうです」
[メイン] 熱牙風月 : 「よし、二人ともお疲れ。早速残りの二人と合流して追いかけんぞ」
[メイン] エアリアル : 「あっ、はい!」
[メイン]
櫻田修 :
「はい!」
これは、日常を守る仕事だと改めて確認し
強く頷く
[メイン] 熱牙風月 : 敵の足取りを掴む手段を得たなら、もはや追う以外に手はない 黒い霧に関しては、まだまだ謎が多いが……
[メイン] 熱牙風月 : 「…仕事の邪魔を許さねえのはこっちも同じだ、人の命が懸かってるからな」
[メイン] 熱牙風月 : 低く呟くと、コートを翻して事務所を後に…
[メイン] 熱牙風月 : 「……そういや、お前達の仲間って誰だっけ?」
[メイン] 熱牙風月 : する前に、自分は残りの二人の顔も名前も知らないことを思い出して帰って来る
[メイン] エアリアル : 「あっ、え~っと…白銀さんとアクエリアスさん、です」
[メイン]
櫻田修 :
「ああ、説明し忘れてましたね…」
締まらないなぁと苦笑しつつ、エアリアルと共に説明するのだった
[メイン] 櫻田修 :
[メイン] 櫻田修 :
[メイン] GM :
[メイン] GM : trigger『I`m』 登場:任意
[メイン] 本間 白銀 : 31+1d10 登場/リザレクト (31+1D10) > 31+6[6] > 37
[メイン] system : [ 本間 白銀 ] 侵蝕率 : 31 → 37
[メイン] アクエリアス : 1d10 (1D10) > 3
[メイン] 熱牙風月 : 46+1d10 登場/リザレクト (46+1D10) > 46+6[6] > 52
[メイン] エアリアル : 54+1d10 登場/リザレクト (54+1D10) > 54+6[6] > 60
[メイン] system : [ アクエリアス ] 侵蝕率 : 39 → 42
[メイン] system : [ 熱牙風月 ] 侵蝕率 : 46 → 52
[メイン] system : [ エアリアル ] 侵蝕率 : 54 → 60
[メイン] system : [ エアリアル ] 侵蝕率B : 0 → 1
[メイン] 櫻田修 : 49+1d10 登場/リザレクト (49+1D10) > 49+10[10] > 59
[メイン] system : [ 櫻田修 ] 侵蝕率 : 49 → 59
[メイン] GM :
[メイン]
GM :
─────そしてあなた達は、僅かな糸を手繰りながら
山中の濃霧を彷徨うが如く、夜の街を歩き続け。
[メイン]
GM :
やがて─────目的の人物と出会う。
そこは、人が出入りすることの無い廃墟であった。
[メイン]
瀧本 豊則 :
薄暗い、廃れた場所にポツンと立つ
患者衣の老人。
[メイン]
本間 白銀 :
とん、とん、とん、とん。
地面を叩く杖は、左右交互の安全を確認しながら進んでいく。
[メイン] 瀧本 豊則 : 病院から受け取った、瀧本氏の個人情報データと照らし合わせれば分かるだろう。
[メイン] 瀧本 豊則 : そこにいるのは、本来であればベッドで寝たきりの状態でいるはずの男。
[メイン] 瀧本 豊則 : その男は─────二本足で立っていた。
[メイン] 瀧本 豊則 : そして、音に反応したのか、ゆっくりと首を動かす。
[メイン] 瀧本 豊則 : 「…………?お医者さんかね」
[メイン]
本間 白銀 :
白銀にとっては、夜も昼も「瞼の裏が少し明るいか否か」であった。
いつも濃霧にいるような彼女だが、その声にぴくりと顔を上げる。
[メイン]
本間 白銀 :
「おや、初めまして。医者……ではありませんが、その手伝いと考えてもらえれば結構です。
なにぶん、本を読むのにも苦労する体ですしね」
[メイン]
本間 白銀 :
冗談のように笑みを浮かべつつも、声のした方へと頭を下げる。
手伝い……というのも、あながち間違いでもないだろう。
渡されていた音声データと似ている声を聞き届け、目の前にいる彼が
[メイン] 瀧本 豊則 : 「おお、お手伝いさんじゃったか………これはこれは、どうも」
[メイン]
瀧本 豊則 :
その老人は、微笑み会釈をした。
─────頑固で厳しい老人というような姿は、そこには無かった。
[メイン] 本間 白銀 : そこで、少しだけ眉を曲げる。
[メイン]
本間 白銀 :
手渡された情報には、瀧本さんは頑固な性格だと聞いていた。
てっきり、「儂のことなら帰ってくれ!」というような老人かと失礼ながらにも思っていたのだが。
[メイン]
本間 白銀 :
話している老人は、そんな様子がない。
誰もがイメージするような優しい老人のようで。
事前に音声データとして手渡されていた、瀧本の姿とは全くの別物であった。
[メイン]
本間 白銀 :
……この人は……本当に……?
……そもそも、病院を抜け出したのにもかかわらず、一人で……こんなところに?
[メイン] 本間 白銀 : 「……失礼ですが、瀧本 豊則さんでよろしかったでしょうか?」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「? ああ、そうだ、私が瀧本 豊則じゃが……」
[メイン]
瀧本 豊則 :
「はて、お嬢さんはお医者さんのお手伝いではなかったのかのう?
私の名前は知っておると思っておったのじゃが……」
[メイン]
本間 白銀 :
「ああいえ、その……聞いていたよりも大分、お元気そうだと思いまして。
失礼に思われたのなら……申し訳ありません」
[メイン] 熱牙風月 : 「……オイオイ、こりゃ一体」
[メイン]
瀧本 豊則 :
「ああ、はっはっは、そうじゃのう
お医者さんのおかげですっかりこの通りじゃ」
足をぶらぶらとさせる。白銀が盲目であることは当然知らない。
[メイン] エアリアル : 「ここって…廃墟です、よね…?」
[メイン] 熱牙風月 : 異常だった、年頃の女が廃屋で病院にいそうなご老体と話している……挙句に
[メイン] 櫻田修 : 「……瀧本さん、ですよね…?」
[メイン] 熱牙風月 : 「…しかも、足が動いてる状態のな」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「? どちら様かな?」
[メイン] 熱牙風月 : 性格も幾分か違う様だ、資料で感じた印象とはまるで別人…
[メイン] エアリアル : 「は、初めまして!エアリアル、です!」
[メイン] 櫻田修 : 「あー、えっと…そこのそこの女性の同僚と思っていただければ…」
[メイン]
瀧本 豊則 :
「これはこれは、どうも」
微笑み、会釈をする。
[メイン] 瀧本 豊則 : 「なるほど、皆さん方もお医者さんの助手でしたか」
[メイン] 熱牙風月 : 帽子を抑えつつ会釈をして、慎重に様子を見る
[メイン]
櫻田修 :
異様だった
”健康体”としか思えない老人がそこにはいた
[メイン] エアリアル : 「へ?お医者さん…?」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「? 違いますか?」
[メイン] 熱牙風月 : …医者? こんな廃墟にいる訳が──
[メイン]
本間 白銀 :
声を聴き、手をひらひらと三人に向ける。
声に聞き覚えがないものもいたが、櫻田の声によって、集めてきた人員だろうと反応し返し。
[メイン]
エアリアル :
「い、いえ、私達は…」
……と言っても、何と答えていいのかが分からず声が詰まる
[メイン]
瀧本 豊則 :
「………?」
訝しむ顔になる。
[メイン]
本間 白銀 :
「ああ、すみません。
大勢で押しかけて驚かれたでしょうが、皆さんも私と同じです」
[メイン] 櫻田修 : その言葉に、医者とは彼女の方便だろうと勘づく
[メイン] 櫻田修 : 「ああ、医者とは正確には違いますけど…”人を助ける仕事”をしている者です」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「ほぉ~……お若いのに、大層立派じゃのう……」
[メイン] 熱牙風月 : 「…で、俺は探偵さ。あなたの行方を探している、と依頼が来ましてね」
[メイン]
エアリアル :
「……!そそそそうです!そういう仕事です!」
修の言葉にすぐさま乗っかるように
[メイン]
本間 白銀 :
……完全なものにないにしろ、嘘を付くことに罪悪感はある。
だが、UGN……レネゲイド云々と言われても、彼からすれば若者言葉としてとらえられてもおかしくはない。
[メイン]
瀧本 豊則 :
「私の行方?誰が?」
眉を顰める。
[メイン]
本間 白銀 :
「病院から行方不明になっていた、とお聞きしましたが……
それに、瀧本さんのご子息も探しておられるのではないでしょうか?」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「ありえない」
[メイン] 瀧本 豊則 : キッパリと、そう即答する。
[メイン] 瀧本 豊則 : そして老人は、あなた達を怪しむようになる。
[メイン]
エアリアル :
「……えっ?」
……そういえば、豊則さん、ここを病院と思ってる…?
[メイン]
櫻田修 :
「………っ」
家族が探しに来ない、その即答に息が詰まる
[メイン]
瀧本 豊則 :
「……私の息子達は、私のことを恨んでいた
ああ、もちろんそんなのは当然だ、俺が悪い」
[メイン]
瀧本 豊則 :
「ロクに愛情も注ぐことのできない頑固親父のことを
誰が愛するか?………フンッ!そんなこと、分かっておるわ!」
[メイン]
本間 白銀 :
「………………」
瀧本さんとのご子息は、あまり仲がよろしくない。
それは聞いていたからこそ、もう少し歯に物を着せるべきだった。
[メイン] :
[メイン] :
[メイン] : 「誰だ?」
[メイン] :
[メイン] :
[メイン] GM : 黒い霧が、立ち込める。
[メイン] 熱牙風月 : 「────オイオイ、こいつは…!!」
[メイン] 櫻田修 : 「これは…!」
[メイン] GM : その霧は─────真っ黒であった。
[メイン] 熱牙風月 : 「…如何にも触れたらヤバげだ、気をつけろ!」
[メイン]
GM :
冷たい……温度を感じさせないそれは
廃墟内を瞬く間に、支配領域を広げていく。
[メイン]
本間 白銀 :
反省を表すように、俯いた顔が────すぐに、上げられる。
それは聞いたことのない第三者の声が、耳を震わせたからだ。
[メイン] : コツ、コツ、コツ、コツ、コツ。
[メイン] : 革靴の音が、あなた達の方へと、ゆっくりと近づいてくる。
[メイン] エアリアル : 「こ…これは…!?」
[メイン] : 月明かりの光が、黒い霧の向こうに─────人影を作る。
[メイン] 櫻田修 : 黒い霧。あまりにも、つい先ほど聞いたものと類似しているそれに、警戒心をあらわにする
[メイン] : そしてそれは、露わとなる。
[メイン] "黒い霧" : ─────灰色の髪、そして喪服のような真っ黒のスーツ。
[メイン]
櫻田修 :
「────”黒い霧”……」
そう、ゆっくりと口から、その名が零れ落ち
[メイン] "黒い霧" : 「御名答」
[メイン]
本間 白銀 :
音を感じさせず、しかし圧のように広がっていくそれ。
瞳も見えない白銀であったが、この圧力にはじっとりと押される。
たらりと、冷や汗を顔に落としながら。
[メイン] エアリアル : 「あ…貴方が、」
[メイン]
"黒い霧" :
「……チッ、情報操作も効かなくなってきているな」
苦虫を嚙み潰したような表情で、頭を掻きながら。
[メイン]
"黒い霧" :
「─────で?お前らは?」
虚ろな、真っ黒の瞳があなた達へと向けられる。
[メイン] 瀧本 豊則 : 「おお!先生!」
[メイン] エアリアル : 「わ…私はエアリアル、です」
[メイン] "黒い霧" : 「"所属"だ」
[メイン] 熱牙風月 : 妙に話が噛み合わねえと思ったら、ここで医者やってたのかよ…
[メイン] エアリアル : 「U…UGN、です」
[メイン]
櫻田修 :
「……」
無言で、UGNの許可証を見せる
[メイン] 熱牙風月 : 「探偵だ」
[メイン] "黒い霧" : 「なるほどな、じゃあ─────」
[メイン] "黒い霧" : 黒い霧は、さらに濃く。
[メイン]
"黒い霧" :
・・・・・・
「そういうことなんだろう?」
[メイン] "黒い霧" : さらに、さらに真っ黒に。
[メイン] エアリアル : 「ま…待ってください!」
[メイン]
エアリアル :
・・・・・・
「どういうことなんですか!?」
[メイン] "黒い霧" : 虚ろな、真っ黒の眼がエアリアルへと向けられる。
[メイン] "黒い霧" : そして、死人のように真っ白な指を向け。
[メイン] "黒い霧" : 「UGN」
[メイン] "黒い霧" : そして、その手をポケットへと入れ。
[メイン] "黒い霧" : 「FH」
[メイン] "黒い霧" : 「ごちゃごちゃ語るのは時間の無駄だ」
[メイン]
本間 白銀 :
……UGNとFHが出会ったら、引き起こされるのは……衝突。
かと言って、勝てる相手かと言われれば、全くの逆。
もしここで火花を上げるようであれば、白旗を上げるのはこちらになるだろう。
[メイン] 熱牙風月 : 「ストップ、近くに患者がいるってのにおっ始める気か。こっちはそんな要件無いんだよ」
[メイン]
櫻田修 :
「────なんのために、瀧本さんや他のお年寄りに手を出している?」
敵同士、それは知っている。出会えば衝突、それもわかる。
でもそんなのは、決定事項じゃない。
[メイン] 熱牙風月 : 両手を上げて降参のポーズをしながら、一歩前に出る
[メイン] "黒い霧" : 二人の言葉を聞き、女は─────。
[メイン] "黒い霧" : 徐々に、黒い霧を収めていった。
[メイン] 熱牙風月 : …どうやら、交渉の余地はありそうだな
[メイン] "黒い霧" : 「……UGNも、優秀な奴を揃えてきたってわけか」
[メイン] エアリアル : 風月の降参のポーズを見て
[メイン]
"黒い霧" :
「オレは"無駄"に死に急ぐ馬鹿が嫌いだ
だがお前らは違うようだな、いいだろう」
[メイン] エアリアル : 彼女も同じように
[メイン] 本間 白銀 : 軽く会釈を返して、二人に感謝を伝えながらも。
[メイン] "黒い霧" : そして、修の質問に答えるように。
[メイン]
櫻田修 :
「ありがたいお言葉だね…」
内心ほっとしながら、毅然とした態度を取ろうとする
[メイン] "黒い霧" : 「"仕事"だ」
[メイン] "黒い霧" :
[メイン] "黒い霧" :
[メイン] "黒い霧" : 「─────"安楽死"のな」
[メイン] "黒い霧" :
[メイン] "黒い霧" :
[メイン] "黒い霧" : 女は、静かにそう告げた。
[メイン]
櫻田修 :
「安楽死…」
その言葉を反芻する
[メイン] 瀧本 豊則 : そして隣に立つ老人も、こくりと頷く。
[メイン] 本間 白銀 : 「……なっ……それじゃあ、瀧本さんも……!?」
[メイン] エアリアル : 「あ、安楽死…?で、でもっ!」
[メイン]
熱牙風月 :
…表情が丸めて開いた紙のように皺が刻まれ
色を落とす
[メイン]
櫻田修 :
「……最後はせめて、健康な体でってわけか…」
そこで初めて、毅然とした態度を崩し、頭を抱える
[メイン] エアリアル : 「豊則さんは…元気そうです、よ…?聞いてた話よりもずっと…」
[メイン]
瀧本 豊則 :
微笑み、頷く。
先程の怒りに我を失いかけた老人の姿から
最初に出会った、穏やかな男へと変わり。
[メイン]
瀧本 豊則 :
「………いいえ」
エアリアルの言葉に首を横に振る。
[メイン] 瀧本 豊則 : 「私は…………余命宣告を、受けてまして」
[メイン]
本間 白銀 :
思わず声を荒げてしまうも、んん、と咳払いして。
そして話へと耳を傾ける。
[メイン]
"黒い霧" :
「……お前らにも"仕事"ってもんはあんだろうな
だが、オレから話すにゃ……」
眉を顰めながら、老人へと視線をやり。
[メイン] 瀧本 豊則 : その視線に応えるように頷き。
[メイン]
瀧本 豊則 :
「………………私は、あの真っ白な病室で
誰にも看取られることなく死ぬ……
それが、私の運命だったんですよ」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「ですが─────」
[メイン] 瀧本 豊則 : そして、男は続ける。
[メイン]
瀧本 豊則 :
─────あの病室で、どうやら"別件"で病院に訪れた"医者"と
何の偶然か、出会うこととなった。
[メイン] 瀧本 豊則 : そして、"医者"の"仕事"について聞いた瀧本は─────。
[メイン] 瀧本 豊則 : 自身もまた、依頼をすることに決めたのだった。
[メイン] 瀧本 豊則 : 患者衣の胸元から、ごそごそと何かを取り出す。
[メイン]
瀧本 豊則 :
「…………私の、妻です
……もう、随分と前に亡くなってしまいましたけど」
─────それは、写真であった。
[メイン] エアリアル : 「……」
[メイン]
瀧本 豊則 :
そこには、晴れ渡る青い空、真っ白なビーチ
筋肉粒々の男と、それに寄り添うお淑やかさを感じさせる女
─────二人とも、幸せそうに笑っていた。
[メイン] 本間 白銀 : 「…………」
[メイン]
瀧本 豊則 :
「……妻は、この場所で埋葬したのです、だから……
─────私も、ここへ……と」
[メイン]
本間 白銀 :
その写真は見えない。
だがその声質からわかるのは、彼が彼女をどれだけ愛していたか、ということ。
[メイン]
"黒い霧" :
「尤も、"ガタ"は来ている
─────"無理矢理"立たせたんだ、言うまでもないだろう?」
[メイン]
"黒い霧" :
「余命よりも早く死ぬ
だが、それを望むなら
そして、それ相応の報酬を払ったのならば」
[メイン] "黒い霧" : 「─────オレはその"仕事"を果たすまでだ」
[メイン] 熱牙風月 : そんな施術でも、歩いて奥さんの所に。ってわけか
[メイン] 櫻田修 : 「………そうか…」
[メイン]
熱牙風月 :
…参ったな、どうにも。こっちの“愛”には疎い
これでヒトもどき続けて長いんだが
[メイン]
本間 白銀 :
……この廃墟に来るまでに、どれほどの苦痛を味わったのだろう。
動かない足を、無理やり動かしてまで、自らでここに来たい、と願い、そして歩いた。
[メイン]
本間 白銀 :
小説では一行にも及ばないかもしれないが、彼にとっては辛く厳しいものだったのだろう。
眉を落としながらも。
[メイン] 櫻田修 : 「一つ聞かせてもらう。もう”施術”は済んで…戻せないのか?」
[メイン]
"黒い霧" :
「口で語るよりも─────実際に見た方が早い」
くいっ、と顎で老人を指し示す。
[メイン]
"黒い霧" :
オーヴァードであるあなた達なら
この男が今、どんな状況にあるのか?それを知るのは簡単だろう。
[メイン] 櫻田修 : 「……やはり…ジャームに…?」
[メイン] "黒い霧" : 「御名答」
[メイン] "黒い霧" : 「そして超人であっても、寿命の呪縛からは逃れられない」
[メイン] "黒い霧" : 「肉体に負荷をかければ、時計の針はより早く進む」
[メイン] 櫻田修 : 「…………そうか…」
[メイン] エアリアル : 「…黒い霧…さんは豊則さんをこれから…どうするんです、か?」
[メイン] "黒い霧" : 「運ぶ」
[メイン]
"黒い霧" :
「それがオレの"仕事"だ
─────そのビーチで死なせろ、それが御所望だからな」
[メイン] エアリアル : 「運ぶって…何処へ…?」
[メイン] "黒い霧" : 死人のような白い指を、老人の持つ写真へと向ける。
[メイン] "黒い霧" : 「グアムだったか」
[メイン] 瀧本 豊則 : こくりと、ゆっくりと頷く。
[メイン]
瀧本 豊則 :
「……生きてた頃は……よく、二人で行ったなぁ……」
写真を見つめながら、ガラガラの声で、小さくそう呟いた。
[メイン] 櫻田修 : 「瀧本さん…あなたが安楽死を選択した覚悟、オレなんかにとても推し量れるものではありません」
[メイン] 櫻田修 : 「でもこれだけは聞いておきたくて…」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「………?」
[メイン] 櫻田修 : 「そこで亡くなりたい、と思ったのは…ご子息が誰も見舞いに来なくて、孤独だから…ではないのですか?」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「…………はは、これは、図星ですな」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「……孤独は…………辛い、それを今の今になって」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「よぉ~~~~~~~~~~~~~~……やく……知りましたよ」
[メイン] 櫻田修 : 彼の長い長い嘆息は、今までの孤独の辛さを十分感じさせて
[メイン]
櫻田修 :
「それは…お辛かったでしょうね…」
オレの経験値では、そんなありふれた言葉をかけることしかできない
[メイン]
瀧本 豊則 :
「…………ははは……ありがとう、ございます」
辛そうに、小さく笑う。
[メイン]
櫻田修 :
でも、そんなオレでも一つわかることはある
このままでは、瀧本さんは孤独のままだ
[メイン]
本間 白銀 :
……彼の声が耳にした声よりも柔らかいのは、それを知ったからだろうか。
孤独を知ってしまい、今までを変えようとして、こうして振舞っているのかもしれない。
それほどに……彼の孤独は推し量ることのできない重さだった。
[メイン] エアリアル : 「豊則…さん…」
[メイン] 熱牙風月 : …全員沈んでるな、ここは。俺が動くか
[メイン] 熱牙風月 : 「…お前さん達のやる事に若干の異論はあるが、理解もする」
[メイン] 熱牙風月 : 「ただ、皺を刻んで、鈍ってきた俺には少々キツイ話でな…落ち着く為に、時間をとらせてもらうよ」
[メイン] 熱牙風月 : 帽子で視線を悟られぬように、撤退のサインを送る。聞いたばかりの状態で、結果を決められる案件じゃねえだろ?
[メイン]
櫻田修 :
その言葉、その仕草にハッとさせられる
確かに、今答えが出ないのなら、敵の前で悩み続けるわけにもいかない
[メイン]
本間 白銀 :
その声に顔を上げる。
ここで一巻の終わりというわけではないのに、気落ちしすぎてしまった。
[メイン]
本間 白銀 :
「……そうですね、まだ方針を決めかねていません
その結果私たちがどうするかは……後ほど」
[メイン] 熱牙風月 : 合図が通った事を確認すると
[メイン] 本間 白銀 : こくりと会釈を返して。
[メイン] 熱牙風月 : 「待っててくれ、とは言わねえが。次に会う時は霧を出さないでくれよ? 心配する事が多いんだ、俺達は」
[メイン] 熱牙風月 : そして、帽子を外して瀧本へと深く会釈をして
[メイン] "黒い霧" : 「─────一つ、言っておこう」
[メイン] 熱牙風月 : 「…」
[メイン]
"黒い霧" :
・・ ・・
「時間は、ない」
[メイン] "黒い霧" : 「それだけだ」
[メイン] エアリアル : 「……わかり、ました…」
[メイン]
櫻田修 :
「…………」
無言で、その言葉を受け取る
[メイン] 熱牙風月 : 「…… 瀧本さん、今日は。邪魔をしに来た形になる俺達に。事情を話してくれてありがとうございます」
[メイン] 瀧本 豊則 : あなた達に会釈する豊則。
[メイン] 瀧本 豊則 : 「……いえいえ、皆さんの方こそ……っ……!」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「ごほっ……ご、ほっ……!」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「……っとと、し、失礼しました」
[メイン]
本間 白銀 :
「…………! ……瀧本さんも、お騒がせして申し訳ありません
……お体を気を付けて……ください」
[メイン] 熱牙風月 : 「…どうか、お大事に。自分達は、貴方の事を勝手ながら想い、行動させていただきます」
[メイン]
本間 白銀 :
……彼にこんな言葉を掛けること自体が、間違っている。
だが、その掠れた声とその咳は、耳に重く残って。
[メイン]
熱牙風月 :
帽子を被り直すと、撤収するように呼びかけ
風月自身も外へ歩いていく
[メイン]
瀧本 豊則 :
口元に手を当てながら、なんどか笑顔を繕い
二人へと、微笑む。
[メイン]
櫻田修 :
「…ええ。お大事に」
瀧本の咳に、時間がないことを改めて認識させられる
────早く、決めなければ
[メイン] エアリアル : 「……豊則さん!黒い霧さん!」
[メイン]
エアリアル :
「…失礼、しました!」
深々とお辞儀をしてその場を後にする
[メイン] 瀧本 豊則 : エアリアルの言葉にも、にこりと笑い。
[メイン] "黒い霧" : 「…………」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「………おや?お医者さん……」
[メイン] "黒い霧" : 「………フン」
[メイン] "黒い霧" :
[メイン] "黒い霧" :
[メイン] "黒い霧" :
[メイン]
GM :
〇情報項目
・瀧本家について
・瀧本 豊則の現状について
[メイン] GM :
[メイン]
本間 白銀 :
・瀧本家について
情報:UGN
[メイン] "黒い霧" : 8
[メイン] 本間 白銀 : (1+{侵蝕率B})dx+1=>8 【社会】
[メイン] 本間 白銀 : 🌈
[メイン] 本間 白銀 : 2dx+1=>8 (2DX10+1>=8) > 9[9,9]+1 > 10 > 成功
[メイン] GM :
[メイン]
GM :
・瀧本家について
豊則と、その息子家族との関係は最悪となっている。
ほぼ絶縁状態といっても過言ではない。
息子は、父親から受けた数々の過激な教育に辟易としており
父親が住む地域から遠く離れた場所で暮らしている。
[メイン] GM :
[メイン] 櫻田修 : ・瀧本 豊則の現状について
[メイン] GM : 8
[メイン] 櫻田修 : (3+0)dx+1>=8 (3DX10+1>=8) > 9[5,6,9]+1 > 10 > 成功
[メイン] GM :
[メイン]
GM :
・瀧本 豊則の現状について
侵蝕率106%で安定するジャームと化している。
また、オーヴァード特有の不死性は彼の場合ほとんど持ち合わせていない。
壊れかけの車を使って無理矢理走っているも同然の状態だ。
今日1日持てば良い方であり、彼の死は刻々と近づいていっている。
[メイン] GM :
[メイン] アクエリアス : 「なるほド」
[メイン] アクエリアス : 一同から若干離れた場所。普通にただただ運転下手のせいで道路傍の速攻に片輪を落として走行不能になったクラウンの運転席で、若干斜めになりながら……支部から借り受けたドローン越しに概ねの状況を察する。
[メイン] アクエリアス : 音声は当然拾えていないが、手元に集まった情報から、だいたいの状況は理解できた。
[メイン] アクエリアス : 「これは、アレですかね。ライブラさん風に言うなラ……」
[メイン] アクエリアス : 「役者は揃った、と言ったところですかネ」
[メイン] アクエリアス : 同僚のペストマスクの怪人を思い浮かべながら、指先をくるくると回す。
[メイン] アクエリアス : 「もっとも、八方都合の良い演目ではなさそうですがネ」
[メイン]
アクエリアス :
FHの目的は違法的慈善活動。しかしレネゲイド拡散の恐れあり。
UGNの目的は超法規的防疫活動。しかし一人の老人の最期を踏み躙る。
[メイン] アクエリアス : 「手なりにステップを踏めば、見事なバッドエンド」
[メイン] アクエリアス : 「どちらに転んでも誰かが泣くことになル」
[メイン] アクエリアス : 「悲劇ですネぇ~」
[メイン] アクエリアス : わざとらしく目元を指先で拭いながら、口元からは笑みを零し。
[メイン] アクエリアス : 「他人事なら仕方ないと言えますガ、仮に我が身に降り掛かった事と鮮明に想像すると、思わず涙を禁じえませン」
[メイン] アクエリアス : 「もし、私があのお爺さんと同じ立場、同じ境遇、同じ寿命であったら……と思うト……!!」
[メイン] アクエリアス : 両手で顔を覆い。
[メイン] アクエリアス : 「まぁ、違う立場、違う境遇、違う寿命ですかラ、思うだけですけどネ」
[メイン] アクエリアス : 両手を広げて、運転席のシートにまた身を沈める。
[メイン] アクエリアス : 「仕事の時間が近づいていますネ」
[メイン] アクエリアス : UGNエージェントとしての仕事。レネゲイド防疫。拡散防止。このまま放置すれば、二人の危険なジャームが国境を超える。検疫なんてしてくれるわけもない。
[メイン] アクエリアス : では、やることは決まりきっている。
[メイン] アクエリアス : 簡単な結論だ。
[メイン] アクエリアス : 老人を一人不幸にすればそれで済む。
[メイン] アクエリアス : 最大幸福のための最小の犠牲。いつもUGNがやっていること。例外はない。
[メイン] アクエリアス : 今回もそうするだけ。きっと、自分はそのためにこんな極東くんだりまで呼ばれている。
[メイン] アクエリアス : で、あるならば。
[メイン] アクエリアス : 「ここは少しばかり、ジルバを踊るとしましょうカ」
[メイン] アクエリアス : 「とりあえず、そうですネ」
[メイン] アクエリアス : 「差し当たりまずハ……」
[メイン] アクエリアス : 額に軽く指を当てて、小さく微笑み。
[メイン] アクエリアス : 「レッカー待ちですネ」
[メイン] アクエリアス : 「あ、ドローンの電池……あ」
[メイン] アクエリアス : 「アー」
[メイン] アクエリアス :
[メイン] アクエリアス :
[メイン] アクエリアス :
[メイン] 熱牙風月 : …廃墟から退散した俺達は、別行動のアクエリアスを待つ形で偽装された支部で待機する事になった
[メイン]
熱牙風月 :
実力行使は難しく、倫理的には判断し難く
そして、トドメにFHでレネゲイドに纏わる。役割的には完全な敵
[メイン] 熱牙風月 : 「…頭が痛いぜ、全く」
[メイン]
熱牙風月 :
独り言を呟き、待ち合わせた部屋へと戻り
みんなに声を掛ける
[メイン] 熱牙風月 : 「…一応聞いとくが、何かいい案は出たか?」
[メイン]
本間 白銀 :
椅子に腰かけながら、熱牙の声が聞こえた方へと顔を向けている。
とはいえ、その問いに対して皺ひとつ刻まれていた。
それは、いい答えが出ていないという表れだろう。
[メイン]
エアリアル :
「……」
彼女も、白銀と同じように悩んでいた
[メイン] 櫻田修 : 「案は…出てないですね」
[メイン] 熱牙風月 : 「だよな…こっちもだ」
[メイン]
本間 白銀 :
「……一巻の終わり、と言うほど詰まっているわけではありませんが。
二つに一つを選ぶのであれば、物語はハッピーエンドにはなり得ません」
[メイン] 本間 白銀 : 閉じた瞳で、周囲に顔を向けたまま。
[メイン]
櫻田修 :
「…瀧本さんはもうジャームになってしまっていますからね…
存在を見逃すことすらUGN的には本来は違反行為になる」
[メイン]
本間 白銀 :
こくりと頷く。
熱牙が先ほど、話し合いに釘を刺したことはいい事であったかもしれない。
それは、冷静になる時間を取ることが出来た。
[メイン]
本間 白銀 :
「それに、もし瀧本さんを見逃すのであれば、FHの一人……”黒い霧”もまた、見逃すと同義です
彼女が行っていることがどうあれ、見放した隙に何が起こるかは、全くわかりません」
[メイン] 本間 白銀 : 「見逃した際、責任問題が降りかかるのは集められた5人である、私たちにも起こります。そして何よりも……」
[メイン] 本間 白銀 : と、周囲を見渡すように顔を上げて。
[メイン]
本間 白銀 :
「皆さん方の日常、友人や家族が巻き込まれる形にもなるかもしれません」
[メイン] 本間 白銀 : 「……エアリアルさん、櫻田さん。あなた方にも大切な方はいらっしゃるのではないでしょうか?」
[メイン]
本間 白銀 :
向いた視線は、先ほどから声が出せそうにないであろう彼女。
そして、重々しく言葉を発した、彼に対して。
[メイン] 櫻田修 : 「はい。オレには大切な…どうしても守りたい人たちがいます」
[メイン] 櫻田修 : 「そいつらが巻き込まれる可能性は…見逃したくはありません」
[メイン] エアリアル : 「はい…私も大切な家族に、親友だっています…」
[メイン] エアリアル : 「……でも」
[メイン]
櫻田修 :
「ですが……」
言葉を濁す。
ジャームを、危険を見逃さない。それは瀧本さんの意志を踏みにじることにもなる。
[メイン] エアリアル : 「……やっぱり何とかしたいです、豊則さんの事」
[メイン] 本間 白銀 : その答えに、瞳の閉じたままの顔がエアリアルへと向けられて。
[メイン] 本間 白銀 : 「……例え”黒い霧”に……テロリストに加担することになっても、ですか?」
[メイン]
本間 白銀 :
……気持ちはわかる。
瀧本さんが吐露した、一度でも妻と出会った場所に訪れたい。
瞳が見えない白銀にもその切実な思いが伝わったのは、それ程震えた声であったからだ。
[メイン] エアリアル : 「…確かに、あの人がやっていることは、許されることではないし…豊則さんも、もう手遅れです…」
[メイン]
本間 白銀 :
しかし、現実問題として、それを叶えられるかは別。
FHが行っている慈善活動は、レネゲイドが絡む。
となれば、その影響により感染者が生まれてもおかしくはない────それは、UGNの理念と反する。
[メイン] エアリアル : 「でも…だから、黒い霧さんを見過ごすわけにはいかない、です、そして…豊則さんも」
[メイン]
櫻田修 :
「……”黒い霧”は止めなくちゃいけない。それはまず、絶対だと思います」
[メイン] 櫻田修 : 「そのために、オレはUGNの理念に合意したから…」
[メイン]
櫻田修 :
白銀の言葉を受けて、そう自身の結論を述べる
だが、その顔は苦渋に満ちていて
[メイン] 櫻田修 : 「だから、他に方法が見つからないのなら…瀧本さんのことも……」
[メイン]
櫻田修 :
止めなくてはいけない
……決意が足りず、その言葉は紡げないまま
[メイン] 本間 白銀 : 二人の言葉を聞いて、頷きつつも、俯く。
[メイン] 本間 白銀 : 「……そうですね。私も……悩んでいます」
[メイン]
本間 白銀 :
では、テロリストに加担するから、UGNの理念に反するから。
……そう言った理由で、瀧本さんの気持ちを無碍にできるのか?
[メイン]
本間 白銀 :
これにはい、と答えられるほど、白銀はエージェントとしての考えに全て賛同できているわけではなかった。
だからこそ、この悩みをぶつけるように、二人に問いかけてしまった。
[メイン]
本間 白銀 :
「……今から彼の願いを実現するには、ほぼ不可能でしょう
だからといって、不可能を不可能にしたまま、ただ死を迎えてしまうのは……」
[メイン] 本間 白銀 : 「それは、読み進めた本を、投げ捨てるのと……同義です……!」
[メイン]
本間 白銀 :
少し、語調が強くなり。
握っていた杖が少し軋む。
[メイン] エアリアル : 「白銀さん…」
[メイン] 熱牙風月 : 「…気持ちは、みんな一緒だろうさ」
[メイン]
熱牙風月 :
姿を消していた風月が戻り
湯気をカップが満載された盆を抱えている
[メイン] 熱牙風月 : 「お前の言う通りだ、白銀。このまま何も…ってのは出来ない」
[メイン] 熱牙風月 : チョコラテ入りのコップを机に置いて行きながら、風月は話を続ける
[メイン] 熱牙風月 : 「…だから、今は出来ることを探る」
[メイン] エアリアル : 「風月さん…」
[メイン] 熱牙風月 : 「ハードボイルドに必要なのは、クールな思考に…」
[メイン]
本間 白銀 :
熱牙が運んだ甘い匂いに。
それにくすぐられ、張り詰めた顔が先ほどよりも緩くなりつつも。
[メイン]
熱牙風月 :
「熱いハート、ってな」
落とさない様に、白銀の手元へカップを置き
[メイン]
本間 白銀 :
「…………」
手から伝わる熱に、沸騰するくらいの熱を抱えていた頭が、冷え込んでいくように思えて。
[メイン]
櫻田修 :
「…ありがとうございます」
コップを手に取り、一口飲む
[メイン]
本間 白銀 :
「……ふふっ、男前な事を言ってくださいますね。
きっとお顔もそれに似合うくらいのものでしょうね。……ありがとうございます」
[メイン] エアリアル : 「あ、ありがとう…ございます」
[メイン] 本間 白銀 : こくりと、カップを傾けて口に含みつつも。
[メイン]
本間 白銀 :
「……やはり……熱牙さんの言う通りですね
この悩みを考え続けるよりは、一度栞を挟みに……外で頭を冷やしてきます」
[メイン]
本間 白銀 :
ことん、と飲み終えたカップを机に置いて。
[メイン]
本間 白銀 :
「……先ほどは、熱くなりすぎましたね」
会釈を二人へと送りつつも、立ち上がり。
[メイン]
本間 白銀 :
手から落とさないようにと杖を持ち直し。
その足で扉へと向かって行く。
[メイン] エアリアル : 渡された飲み物を、ゆっくりと口につけ
[メイン] エアリアル : ……時間は無い、だけど今はそれでも
[メイン] エアリアル : 考える時間が必要だ
[メイン] 熱牙風月 : 「…さあ、タイムリミットは遠くない。白銀が張り切ってくれたんだ。 みんなで、いい結果を弾き出さねえとな」
[メイン]
櫻田修 :
「ええ。あの人があそこまで熱い人だったのは意外でした
オレも何か考えてきます」
まずは、冷静に考えるべきだ
他の人を見習って、そう結論づけた
[メイン] 熱牙風月 : 気勢は全員が充分…だが、俺達の答えはまだ霧の中。微かな灯りを元に探る他無い
[メイン] 熱牙風月 : …正直、泣きたくなってくるが
[メイン] 熱牙風月 : 諦めの悪い奴がまだいるんだ、俺が降りるには、まだ早い
[メイン] 熱牙風月 :
[メイン] アクエリアス :
[メイン] アクエリアス :
[メイン] アクエリアス : middle 「All Those Years Ago」 登場:任意
[メイン] アクエリアス : 1d10 (1D10) > 10
[メイン] system : [ アクエリアス ] 侵蝕率 : 42 → 52
[メイン] エアリアル : 67+1d10 登場/リザレクト (67+1D10) > 67+2[2] > 69
[雑談] system : [ エアリアル ] 侵蝕率 : 67 → 69
[メイン] アクエリアス :
[メイン] アクエリアス : 夜道の道路傍。廃墟付近の道は街灯も少なく、人通りもない。
[メイン] アクエリアス : そんな国道沿いの脇。そこにいた蒼い目の男は。
[メイン] アクエリアス : 「いやー、困りましたネ」
[メイン] アクエリアス : レッカーで持っていかれたクラウンの代車を、また側溝に片輪を脱輪させていた。
[メイン]
エアリアル :
「……あれ?アクエリアスさん?」
そこに偶然通りかかる
[メイン] アクエリアス : 「おや、エアリアルさん、連絡がないと思っていたんですが、合流できたんですネ」
[メイン] アクエリアス : 「いやー、よかったよかっタ」
[メイン] アクエリアス : 「それはそうと、何やら浮かない顔ですネ」
[メイン] アクエリアス : ドローンで一部始終見ていたにも関わらず、いけしゃあしゃあと笑う。
[メイン] エアリアル : 「…はい、私どうすればいいか、分からなくて…」
[メイン] アクエリアス : 「ふム」
[メイン] アクエリアス : それを聞くと、顎に手を当てて小首を傾げ。
[メイン] アクエリアス : 「とりあえズ」
[メイン] アクエリアス : 両手で車を引っ掴み、無理矢理側溝から引っ張り上げて道路に戻してから。
[メイン] アクエリアス : 「軽なら案外なんとかなりましたネ、ドライブでもどうでス?」
[メイン]
エアリアル :
「ド…ドライブ、ですか?はい…」
助手席に乗る
[メイン]
アクエリアス :
もう側溝に落ちたくないので、通りが少ないのを良いことに、車を堂々と二車線の真ん中を走らせる。
幸いにも対向車は全く見当たらない。カーブも少なかった。
[メイン] アクエリアス : 「もしかして、こういう案件は初めてですかネ?」
[メイン] アクエリアス : こういう案件。言ってしまえば、まぁ気分の悪い案件。
[メイン] アクエリアス : 「後味悪い仕事ですもんネ、今回」
[メイン] アクエリアス : しかし、言葉とは裏腹に、アクエリアスの口調は軽い。天気の話でもするかのようだ。淡々と、ただ普通に話をする。
[メイン]
エアリアル :
「……はい」
エアリアルは経験が浅かった
こういう仕事上、後味悪い仕事はよくあるが…ここまではまだ
[メイン] エアリアル : だが何より
[メイン] エアリアル : 分からなかった、今回、どうすれば不幸を減らせるのか
[メイン] エアリアル : いくら悩んでも…糸口が見えない
[メイン] アクエリアス : 「答え、ありますヨ?」
[メイン] アクエリアス : 「聞きたいでス?」
[メイン] エアリアル : 「…へっ?」
[メイン] エアリアル : 「答え、あるんですか…?」
[メイン] アクエリアス : 「ありますとモ」
[メイン]
エアリアル :
「な、なら聞いてみたい…です、お願いします」
そういって頭を下げる
[メイン] アクエリアス : 「勿論、我々は仲間なんですからネ」
[メイン] アクエリアス : そういって、車を停める。誰もいない横断歩道の真ん中で。信号機は赤。
[メイン] アクエリアス : アクエリアスは、それを見て徐にシフトレバーに手を添えて。
[メイン] アクエリアス : 「答えは簡単」
[メイン] アクエリアス : 「下がればイイ」
[メイン] アクエリアス : 横断歩道の手前にまで、車を後退させ……また停車させる。
[メイン] アクエリアス : 「今回の仕事は危険なジャームが相手、討伐するなら増援が必要」
[メイン]
エアリアル :
「……へっ?えっ…!?」
急なブレーキと逆発進で頭をぶつける
[メイン] アクエリアス : 「つまりですネ」
[メイン] アクエリアス : 「別に我々が無理に解決する必要はないんですヨ」
[メイン] アクエリアス : 「難問は無理に解く必要はありませン」
[メイン] アクエリアス : 「出来る人にやらせればイイ」
[メイン] アクエリアス : 「答案用紙を白紙にしたってだぁーれも怒らなイ」
[メイン] アクエリアス : 「だってこれは」
[メイン] アクエリアス : 「『仕方がない事』なんですかラ」
[メイン] アクエリアス : ニヤニヤと笑って、アクエリアスは蒼い瞳を細める。
[メイン] アクエリアス : 「自分に向かない配役なら、この演目は向いていなかったと考えても……いいんじゃないですかネ?」
[メイン] アクエリアス : 「これもまた、ある意味で最小の犠牲で最大の成果……そうでしょウ?」
[メイン] エアリアル : 「……」
[メイン] エアリアル : 「確かに…その通りかもしれません」
[メイン] エアリアル : 「豊則さんは手遅れだし…黒い霧さんは私達だけでは敵う相手では到底ないし」
[メイン] エアリアル : 「それなのに…私はまだ何も思いつけていない…」
[メイン] エアリアル : 「……でも!」
[メイン] エアリアル : 「この事件は…今目の前で起こっていて、私達は任されています」
[メイン] エアリアル : 「私は豊則さんを見ました…豊則さんは、寂しそうでした、とっても」
[メイン] エアリアル : 「だから…うまくは言えないけど」
[メイン] エアリアル : 「私、豊則さんを何とかしたいんです!」
[メイン] エアリアル : 「誰も不幸にしない様に…」
[メイン]
エアリアル :
「……すいません!アクエリアスさん!」
突然、スマホアプリの地図を開く
[メイン] アクエリアス : 答えず、とりあえず開かれた地図を見る。
[メイン]
エアリアル :
「ここに、連れていってください!」
地図の場所は
[メイン] エアリアル : さっきまで黒い霧がいた場所
[メイン] アクエリアス : 「なるほド、危険な選択を取るということですネ」
[メイン] エアリアル : 「…はい、だってそもそも私達…」
[メイン] エアリアル : 「あの人の事、何も知らない」
[メイン] アクエリアス : 「知らなくても、答案は白紙で提出出来る……それでも、進むんですカ?」
[メイン] エアリアル : 「はい、このままじゃ何も変わらない、変えられない」
[メイン] エアリアル : 進めば二つ、逃げれば一つ
[メイン] エアリアル : 「私は…今を変えたい!」
[メイン] アクエリアス : 「なるほド」
[メイン] アクエリアス : トントンとハンドルを指先で叩いて、アクエリアスは笑い。
[メイン] アクエリアス : 「私の仕事は……最小の犠牲で最大の成果を出すことでス。なので、個人的にはあくまで白紙提出をオススメしたいのですガ」
[メイン] アクエリアス : 言いながら、ハンドルを切り。
[メイン] アクエリアス : 「当事者にその気がないのなら、私もプランを変更せざるを得ませんネ」
[メイン] アクエリアス : 地図アプリを確認して、目的地に向かう。
[メイン] アクエリアス : 「では、やってみましょうカ」
[メイン] エアリアル : 「……!」
[メイン] エアリアル : 「ありがとうごさいます!」
[メイン] アクエリアス : 「いえいえ、仕事ですかラ」
[メイン] アクエリアス : 方針はいつでも、最小工数で出来るベターな仕事。
[メイン] アクエリアス : ベターである以上、最小工数は、ショートカットするばかりではない。
[メイン] アクエリアス :
[メイン] アクエリアス :
[メイン] アクエリアス :
[メイン] 本間 白銀 : middle「頁をめくった先」登場:任意
[メイン] 本間 白銀 : 37+1d10 登場/リザレクト (37+1D10) > 37+6[6] > 43
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[メイン] 櫻田修 : 59+1d10 登場/リザレクト (59+1D10) > 59+3[3] > 62
[メイン] system : [ 櫻田修 ] 侵蝕率 : 59 → 62
[メイン] 本間 白銀 :
[メイン] 本間 白銀 :
[メイン] 本間 白銀 :
[メイン]
本間 白銀 :
かつかつ、と杖を鳴らして先を見える。
瞳が見えない白銀には、この杖は自らの瞳とも言えるような存在だった。
[メイン]
本間 白銀 :
先に何があるかを、杖を当てて確認する。
反射した音、感触で何がそこにあるかを感じる。
[メイン]
本間 白銀 :
とはいえ、この世界は瞳が見える人のために出来ている。
いくら杖が瞳の代わりにはなるとはいえ、杖は杖。見えるに越したことはない。
[メイン]
本間 白銀 :
「すみませんね、櫻田さん……付き合ってもらって。
私だけでは、また瀧本さんのもとにたどり着けるかは不明瞭でしたから」
[メイン] 本間 白銀 : 決して明るいとは言えない現在、彼女は一人ではなく、もう一人と共に道を歩いていた。
[メイン]
櫻田修 :
「いえいえ、大丈夫ですよ
オレもまだ…1人では決めかねていたので」
[メイン]
本間 白銀 :
「ふふ、さながら一心同体というやつでしょうか
……私もまだ、この先が見えているわけではありませんから」
[メイン] 本間 白銀 : 櫻田にこくりと頷き。また、かつんかつん、と杖を鳴らして前へと進んでいく。
[メイン] 本間 白銀 : 前と同じであれば、この先に瀧本氏がいるはずだが────。
[メイン] 瀧本 豊則 : そして、その思惑が裏切ることは無かった。
[メイン] 瀧本 豊則 : 肌寒い季節の夜、そこにぽつんと立つ患者衣の老人が立っていた。
[メイン] 瀧本 豊則 : 見る人が見ればきっと、認知症で病院から抜け出した老人のように見えることだろう。
[メイン] 瀧本 豊則 : 「……おや、いかがしましたか?」
[メイン]
瀧本 豊則 :
変わらないガラガラとした声で、二人へと目をやり。
暇を潰すのにちょうど都合が良かったためなのか、現れた二人を歓迎する
ような雰囲気を醸し出す。
[メイン]
本間 白銀 :
こんにちは、と。
目を閉じたままの顔で、声のした方へと挨拶を返して会釈をして。
[メイン]
本間 白銀 :
「……先ほどは騒がしくしてしまい、申し訳ありませんでした
そして、身分を偽った事もまた……謝らせていただきます」
[メイン]
瀧本 豊則 :
「ああ……いえいえ、皆さんがすぐに私を病院に連れ戻そうと
していたわけではありませんし、お気になさらず」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「……………?」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「……ところで一体あなた方は……?」
[メイン]
瀧本 豊則 :
病院の関係者でもないのなら、この者達は一体誰なのか?
特に見知った顔でもないため、豊則は不思議そうにしていた。
[メイン]
本間 白銀 :
……あんまり気に留めていないようで良かった。
UGNは秘匿組織。一般人にそう易々とと話せるわけではないのだが……それはそれとして、嘘をついた罪悪感もあり。
[メイン]
本間 白銀 :
「…………」
櫻田と、目を合わせるようにして頷き。
[メイン] 本間 白銀 : 「……私たちは、"UGN"と申します」
[メイン]
瀧本 豊則 :
「なるほど……?」
先程にも単語として出てきた外国語に、はて?と思いながら。
[メイン]
本間 白銀 :
瀧本さんは、現時点で一般人ではない……レネゲイドに感染しているジャームだ。
ならば、説明した方がいいだろう。彼の身に起きたことを。
[メイン] 本間 白銀 : 「……急にこんなことを言い、困惑されるかもしれませんが────」
[メイン]
本間 白銀 :
瀧本さんが今その足を動かすことが出来るのは、レネゲイドというその体に宿っているから。
しかし、今の日本ではそれは秘匿されている。
そのレネゲイドが積もり過ぎれば、やがて理性のない怪物へと化してしまう危険があるからだ。
[メイン] 本間 白銀 : と、軽い説明を挟んだ後。
[メイン]
瀧本 豊則 :
その説明を聞き、ははぁ……と声を漏らす。
この世に存在する、不治の病に驚いた様子を見せる。
[メイン]
本間 白銀 :
「そしてそれを秘匿するのが、私たち"UGN"
……現実は小説より奇なり、とはよく言ったものですけどね」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「なるほど……それは確かに、まるで、えすえふ小説のようですな」
[メイン]
瀧本 豊則 :
「しかし……なるほど、皆さんの目的は……私を歩かせる
この病にある……というわけですか」
己のしわしわな手を見つめながら。
[メイン]
瀧本 豊則 :
「私は……この病は……少しばかり言いにくいことではありますが
……私自身の満足のために、利用したいと思っていましたゆえ
ええ、この病が危険なことは重々承知の上で……」
[メイン]
瀧本 豊則 :
「病の蔓延をしないように心がけた上で……"安楽死"をと……
今、私はそう思っておりますので……」
[メイン]
瀧本 豊則 :
「……はは、老人の言葉など信用できるか分かりませんが
そこは、皆さんには安心していただきたいですね」
困ったように笑いながら。
[メイン]
本間 白銀 :
瀧本さんの物言いに、少しふふっ、と笑みを浮かべつつ。
……ジャームとは思えないような振る舞い方だ。
……もちろん、そう取り繕っている、とも取れる。でも……やっぱり。
[メイン]
櫻田修 :
「……そうですか…」
瀧本さんの覚悟、その重さが感じられる
その覚悟を、自分達はどうすべきか…
[メイン]
本間 白銀 :
「……私たちは本来の立場であれば、あなたを拘束するべきではあります
……ですが、その……」
[メイン]
本間 白銀 :
いい淀み、口を閉じる。
それを決めるために、ここに来たのだから。
[メイン]
本間 白銀 :
「……その病は、何も全ての不具合を治す訳ではありません
恐らく、その体を動かすだけでも痛みがあるというのは感じていらっしゃるでしょう……」
[メイン]
本間 白銀 :
「あなたの……その"満足"……それが例え、不可能かと思われることでも、成し遂げたいのは……
瀧本さんの細君のために、ですか?」
[メイン]
瀧本 豊則 :
本来、拘束しなければならないという言葉に、眉間に皺を寄せつつも
続く話を聞きながら、白銀の問いに対し。
[メイン] 瀧本 豊則 : 「………」
[メイン]
瀧本 豊則 :
「……私自身のため……ですな
お恥ずかしいことではありますが」
[メイン] 本間 白銀 : 「……瀧本さんのため、ですか?」
[メイン] 瀧本 豊則 : 頷く。
[メイン]
本間 白銀 :
顔は声のする方に上げたまま。
ひゅう、と夜風が吹く中に聞こえる老人の声を、耳に傾ける。
[メイン]
瀧本 豊則 :
「………殺風景で、どこか寒い色の病室で
段々と体が綻んでいく様を、日に日に感じながら過ごし
………隣の病室に来る、他の家族や職場仲間の見舞い客に対し
…………少し、恨めしさ、羨ましさを感じ……」
[メイン]
瀧本 豊則 :
「………私は………俺は………
……こうなる前は、花火を作っていたんだ」
[メイン]
瀧本 豊則 :
「でっかい花火をな……ふふ、俺の作った花火で
何百、何千もの人々が、アッ!と驚く様を見て
俺は………その仕事に、誇りを抱いていた」
[メイン]
瀧本 豊則 :
「だが………大勢を楽しませていた俺が……
………その末路が………これじゃあ……俺は……」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「……どうにも、やりきれん、納得が……いかんのだ」
[メイン]
瀧本 豊則 :
「……だからな、最期くらいは……好きな場所で、死なせてほしい
俺の妻の骨を撒いた、あの場所で……」
[メイン]
櫻田修 :
「…………」
瀧本さんのその言葉と、先ほど聞いた孤独のこと
やはり。彼は、彼の家族のことを…
[メイン]
本間 白銀 :
些細な変化だった。だが花火の話をしたとき、声色が強くなりながらも、楽しげな声に聞こえた。
……花火職人という仕事に、いっぱいの誇りを持っていたからこそ。
最後に一つ、瀧本さんだけの花火を上げたい……。
[メイン]
櫻田修 :
「………納得がいかない、ということは…後悔、しているんですか? ご子息のことを」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「………………」
[メイン]
本間 白銀 :
…………どうにも、いたまれない。
孤独を感じていながらも、どうにもできないと、悔やむ男の姿が想像できるようであった。
[メイン] 瀧本 豊則 : 「………俺は、俺の納得いく仕事をしていた、そこだけは譲れん……が」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「……少し、厳しく当たり過ぎたのもまた……事実だろうな」
[メイン]
瀧本 豊則 :
「息子には……継いでほしかった、俺の仕事を
………俺も、俺自身に時間がそれほど残っていないことは分かっていた
……焦って……いたんだろうな……」
[メイン] 本間 白銀 : 「…………」
[メイン]
櫻田修 :
継いで欲しかった、か…
…オレが、父さんの仕事を目指そうと思った切っ掛けは、なんだったっけ…
[メイン]
櫻田修 :
「…ご子息は、あなたの花火を見たことはありますか?」
ふと、思い付いたように
[メイン]
瀧本 豊則 :
ゆっくりと、頷く。
少し痰の籠った咳をしながらも。
[メイン]
瀧本 豊則 :
「………せがれが小さい頃は、目を輝かせておったよ
ああ……昨日のことのように、思い出せるわい」
[メイン] 瀧本 豊則 : しわしわの頬を緩ませながら。
[メイン]
本間 白銀 :
緩んだ顔は見えないが、それでも声は楽しげに伝わってくる。
それこそが、後悔と、そして仲が良かったであろう思い出がひしひしと、想像されて。
[メイン]
櫻田修 :
なら、その人もオレと同じように…父の仕事に憧れたはずだ
少なくとも、父を誇りに思えるぐらいには
[メイン]
瀧本 豊則 :
「あんた達にも、俺の花火を見せてやりたかったが……
花火の無い花火職人は……」
[メイン]
瀧本 豊則 :
「……ろーがい、しか残らんのだろうな」
困ったように小さく笑う。
[メイン]
櫻田修 :
だが、それは伝わっていないように見える
恐らく、焦りが、瀧本さんを間違った方だけを見せさせている
彼の昔話を聞く限り、そうとしか思えなかった
[メイン]
瀧本 豊則 :
現に、この老人がやろうとしていることは
自分の満足を得たいがために、不治の病を身体に秘めながら
海外への不法入国を試みるというものだ。
[メイン] 瀧本 豊則 : これを老害の行為と言わずしてなんと言う?
[メイン]
瀧本 豊則 :
豊則は蔓延防止に努めると言っていたが
その言葉に、信頼性などはあるのか?
答えは、無い。
[メイン]
瀧本 豊則 :
ジャームとは、理性無き存在。
種によっては、理性があるように振る舞う個体すらある。
この豊則が、それに含まれるかもしれないという可能性は、拭いきれないだろう。
[メイン]
櫻田修 :
「……そんな悲しいこと、言わないでください
少なくともオレは、そうは思わない」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「…………!」
[メイン] 本間 白銀 : 櫻田にこくりと頷きつつも。彼の言葉を待つように、ちらりと顔を向けて。
[メイン]
櫻田修 :
「花火がないからといって、あなたという人物の持つ価値がなくなったなんてことは絶対にない」
キッパリと言いきる
[メイン]
櫻田修 :
「オレの小さい頃の夢は、サッカー選手でした。そのためにずっと練習をしてきた
でも、ある日、事故で脚を怪我して…走れなくなってしまったんです」
昔…というほどでもない昔のことを思い浮かべながら、言葉を紡ぐ
[メイン] 瀧本 豊則 : 「な、なんと……」
[メイン]
櫻田修 :
「でも、オレは価値を失ってなんかいない。少なくとも、オレの家族はそう思ってくれました
だからオレは、前を向けた」
[メイン]
本間 白銀 :
その話を聞いて、驚いたように眉が動く。
……そういえば、どこか歩く音がまばらだったような。
[メイン]
櫻田修 :
「あなたは、ご子息に愛を向けなかったとも、愛してもらえることもないともおっしゃっていましたね
絶対にそんなことはないと思います。そんな愛のない家族は、父の仕事に目を輝かせたりなんかしない」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「……………………」
[メイン]
瀧本 豊則 :
修の言葉に、顔の表情をくしゃりと歪ませながら
ゆっくりと首を横に振りつつ、目元に手をやる。
[メイン] 瀧本 豊則 : 「………し、失礼……この歳になって……少し、涙脆く……」
[メイン] 瀧本 豊則 : その声は、震えていた。
[メイン] 瀧本 豊則 : きっと修の言葉は、豊則に誰も掛けなかった言葉であったのだろう。
[メイン]
本間 白銀 :
彼のその手に、無地のハンカチが、ふわりと。
[メイン] 瀧本 豊則 : 「………!……あ、ありがとう……」
[メイン]
瀧本 豊則 :
花火の弾ももう持ち上げられないであろう、肉の無い手で
白銀のハンカチを受け取り、目尻の辺りを抑えながら。
[メイン] 本間 白銀 : 可愛げもない白いハンカチを差し出して、返すようににこりと微笑みつつも。
[メイン] 櫻田修 : 「……瀧本さんのご子息も。今のあなたに価値がないなんて考えません」
[メイン]
瀧本 豊則 :
「そ、そう………だろうか………」
声を震わせながら。
[メイン]
櫻田修 :
「はい。
……たぶん相当な勇気が必要なのだと思います。でも、もう一度だけでもいい。家族とお話をしてみませんか」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「……………………………」
[メイン]
瀧本 豊則 :
目線が、横へと逸れる。
それは、はいとも、そしていいえとも取れない表情であった。
[メイン]
櫻田修 :
オレは、九人兄弟の長男として、家族の絆に生かされてきた
家族の絆が厳しい教育で切れるほど、弱いものだと思いたくない
[メイン] 瀧本 豊則 : 男としての、くだらないプライドもあったのだろう。
[メイン] 瀧本 豊則 : 修の問いには答えられず、黙ったままであった。
[メイン]
本間 白銀 :
「……ご家族と会うには、櫻田さんのおっしゃったとおり。
相当な勇気が必要だと思います」
[メイン] 本間 白銀 : 「……私の親は、未だに私と会ってくれませんから」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「……………」
[メイン]
本間 白銀 :
「……私は施設育ちで、親の顔すらも見た事ありません
もう見ることも難しいでしょうが、それでも……」
[メイン]
本間 白銀 :
「もし、瀧本さんのような方が親で、こうして子どもに会ってくれたのなら。
……私は、とても……嬉しいと思います」
[メイン]
本間 白銀 :
そして、ぽん、と瀧本の膝に手を置く。
見えないまま、手探りであったが。
[メイン] 瀧本 豊則 : 「…………!」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「…………そう、か………」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「……最期まで、頑固親父では……咲く花火も、燻ってしまうか」
[メイン] 本間 白銀 : それに、微笑んで。
[メイン]
本間 白銀 :
「それでも、あなたは……花火を打ち上げようとしている
人生を不可能で終わらせず、瀧本豊則という花火を咲かそうとしていらっしゃる」
[メイン] 本間 白銀 : 「その志は、とても……素晴らしいものだと思います」
[メイン]
本間 白銀 :
そして、顔を瀧本へと向ける。
顔全体が見えるような姿勢になりながら。
[メイン] 本間 白銀 : 「私は、このように目が見えません」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「………!」
[メイン]
本間 白銀 :
「……生憎ですが、瀧本さんのお顔を見える事すらままなりません
ですが私は……
私のために書かれた一つの本を、自分の力で読みたいのです」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「…………そうか……お二人も……」
[メイン]
瀧本 豊則 :
「……俺は、誰かの意見を聞こうとしなかった
それが、後悔の一つだった………
全部、俺だけの考えで、生きてきた……」
[メイン]
瀧本 豊則 :
「………変えて、みようと思う」
鼻を啜りながら、二人を見やり。
[メイン] 瀧本 豊則 : 「ありがとう、お若いのに……大きな志を持つ人達」
[メイン]
本間 白銀 :
その言葉に、こくこく、と何度も頷き。
[メイン]
本間 白銀 :
「……ありがとうございます。
そう決めたからには、例えどんな不可能だとしても、あなたの願いを……可能にしてみせます」
[メイン] 櫻田修 : 「……ええ。オレたちの全力を持って、お手伝いしますよ」
[メイン]
本間 白銀 :
……盲目の人間が本を読むなんて無謀だ。
だが、私はそれに挑戦したい。こんな私のために作ってくれた本があるのなら。
もちろん、不可能かもしれない。でも────
[メイン]
本間 白銀 :
今、こうして目の前にいる瀧本さんも……不可能に挑戦していたのだから。
私が目を閉じるのは……できない。
[メイン] 本間 白銀 :
[メイン] 本間 白銀 :
[メイン] 本間 白銀 :
[メイン] エアリアル : middle「進んだ先に…」登場:任意
[メイン] アクエリアス : 1d10 (1D10) > 6
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[メイン] system : [ エアリアル ] 侵蝕率 : 69 → 70
[メイン] system : [ アクエリアス ] 侵蝕率 : 52 → 58
[メイン] 熱牙風月 : 52+1d10 登場/リザレクト (52+1D10) > 52+7[7] > 59
[メイン] system : [ 熱牙風月 ] 侵蝕率 : 52 → 59
[メイン] アクエリアス :
[メイン]
エアリアル :
エアリアルはアクエリアスと一緒に黒い霧の元に戻っていた…
彼女との交渉…もとい会話をするために
[メイン] アクエリアス : そこで、アクエリアスがまた急に車を止める。相変わらずのヘタクソな急ブレーキだった。
[メイン] アクエリアス : 「誰かいますネ」
[メイン]
エアリアル :
「誰か……?」
遠くを見るように
[メイン] 熱牙風月 : 「…止まってくれたのは嬉しいんだが、急ブレーキはあぶねえって」
[メイン] 熱牙風月 : 若干冷や汗をかきながら、コート姿の男が歩いてくる
[メイン] エアリアル : 「あっ、風月さん!」
[メイン] アクエリアス : 「おや、熱牙さんじゃあないですカ」
[メイン] アクエリアス : 運転席から顔を出して、軽く片手を上げる。
[メイン] アクエリアス : 「ココにいるってことは、アナタも黒い霧さんに御用デ?」
[メイン] 熱牙風月 : おーう、と手を上げて答え
[メイン] 熱牙風月 : 「相談のついでに、UGNらしい真似を…ってな、骨が折れそうだ」
[メイン] エアリアル : 「風月さんも…!私達もこれから行くところなんです!一緒に行きましょう!」
[メイン] 熱牙風月 : 「歩いて行こうと思ってたが、ちょうど良いか。開けてくれ」
[メイン]
:
風月がドアに触れる。
ひんやりとした感触が伝わるだろう。
[メイン] : 寒気。
[メイン] : 霧。
[メイン] 熱牙風月 : 「……」
[メイン] : ─────黒い霧。
[メイン] "黒い霧" : 「─────で?何の用だ」
[メイン] "黒い霧" : その女は、"既"に、後部座席にて、足を組んで座っていた。
[メイン] "黒い霧" : ─────車が、真っ黒な霧で包まれる。
[メイン]
エアリアル :
「……へっ!?」
既に座っている黒い霧に驚きを見せる
[メイン]
"黒い霧" :
虚ろな瞳は、揺らぎを見せることもなく
ただ、あなたを見る。
[メイン] アクエリアス : 「おヤ、お早いお付きデ」
[メイン]
エアリアル :
「ええええ~っとですね!!」
慌てふためくも
[メイン] "黒い霧" : 「手早い方が、そちらも都合が良いだろう?」
[メイン] 熱牙風月 : …参ったな、さっぱり気配を察知できなかった
[メイン] エアリアル : 一旦、深呼吸をし
[メイン] エアリアル : 「……話し合いに、来ました」
[メイン] "黒い霧" : 「それが、お前達の"仕事"か?」
[メイン]
"黒い霧" :
虚ろな瞳は、エアリアル、風月、そしてアクエリアスへと
順に、その視線を移していく。
[メイン] 熱牙風月 : 「もう少しあるんだが。それは別の話になる」
[メイン]
熱牙風月 :
「今は、そっちの子の話を聞いてくれ」
そう言いながらエアリアルへ目を向ける
[メイン]
"黒い霧" :
風月の言葉に、表情を変えずとも
それに従うように、手を組みながら
真っ黒な眼が、エアリアルへと向けられる。
[メイン]
エアリアル :
「”仕事”、と言われると…少し違うのかもしれません」
これが単に仕事なら、今回の件は見ないでおくか、黒い霧と対峙するか
いずれにせよ…”話し合う”という選択肢はない、
[メイン] エアリアル : だが、それでも
[メイン] エアリアル : 「ですが、私は私がやるべきと思った事の為に」
[メイン] エアリアル : 「話し合わなきゃって、そう思ったんです」
[メイン] "黒い霧" : 「なるほどな、"個人"として"やりたい"ことか」
[メイン] "黒い霧" : 足を組み替える。
[メイン] "黒い霧" : 「─────構わん、ならまずは、そちらの話を聞こう」
[メイン] "黒い霧" : 意外にも、あっさりとそう答える。
[メイン] "黒い霧" : FHとは、"欲望"を果たすためにレネゲイドの利用を最大限にまで許容する組織だ。
[メイン]
"黒い霧" :
その組員の考えには違いはあれど
果たしたい"欲望"があるのならば、それを認める。
その在り方は、"黒い霧"にも存在する。
故に、まずは聞く。
[メイン]
エアリアル :
「……!ありがとうございます!」
その言葉に感謝をし
[メイン] "黒い霧" : されど空気は、冷たいまま。
[メイン] "黒い霧" : 窓の外に映る黒い霧は、晴れない。
[メイン] エアリアル : 「それで、ですね……」
[メイン] エアリアル : 「今回の件、私達に任せて……くれませんか?」
[メイン] "黒い霧" : 「………………」
[メイン] "黒い霧" : その問いに対し、他の者達の顔を見やる。
[メイン] "黒い霧" : 「瀧本氏の"安楽死"を、UGNが引き受けると?」
[メイン] 熱牙風月 : 「安楽死の内容にも依るが……彼の為に行動したいと思ってる」
[メイン] "黒い霧" : 「………物は言いようだな」
[メイン] "黒い霧" : 「オレの"仕事"を潰したい、それが本音だろう」
[メイン] エアリアル : 風月の言葉に、頷き
[メイン] エアリアル : 「……はい、私達が手伝えば、確かにそうなります…」
[メイン] エアリアル : 「でも…このまま黒い霧さんを、国の外に出すことも、私達にはできません…」
[メイン] "黒い霧" : 「だろうな、それがお前達の"仕事"だ」
[メイン] "黒い霧" : 「そして、一つ教えよう」
[メイン] "黒い霧" : 「話し合いというのは、対等な立場の者同士が行うものだ」
[メイン] "黒い霧" : 「まさか」
[メイン]
"黒い霧" :
・・・
「たった3人で囲んだから、オレと"対等"だと言わないよな?」
[メイン] アクエリアス : 「まァまァ、そう怖い顔はしないでくださいヨ」
[メイン] "黒い霧" : 虚ろな瞳を、バックミラーに映る男へと向ける。
[メイン] アクエリアス : ハンドルの上に撓垂れ掛かり、アクエリアスはジャラジャラとブレスを鳴らしながら片手を上げて。
[メイン] アクエリアス : 「これはお互いの"趣味"の話じゃあないですカ」
[メイン] アクエリアス : 「もう少し、気安くやりましょうヨ」
[メイン] "黒い霧" : 「"趣味"か」
[メイン] エアリアル :
[メイン] アクエリアス : 「瀧本さんからの報酬ってあるのか無いのか知りませんが、あったとしても、アナタからすれば御小遣いみたいなものでしょう?」
[メイン] アクエリアス : 「そして、我々は"仕事"だけをするなら、そもそもアナタと話をしていない。増援を呼んでから踏み込むダケ。なんだったら、アナタと対峙する必要すらナイ」
[メイン] アクエリアス : 「カマかけはやめましょうよ、お互い"趣味"の話をしているんですかラ」
[メイン] アクエリアス : ニヤニヤと笑いながら、黒い霧の顔を見て、アクエリアスはそう呟く。
[メイン] "黒い霧" : 死人のような、真っ白な、無表情の顔を向けたまま─────。
[メイン] "黒い霧" : 「…………ここで怖気づくような者に、オレの"患者"を託せなどしない」
[メイン] "黒い霧" : 足を組み替え。
[メイン] "黒い霧" : そして、エアリアルと風月の顔を見やる。
[メイン] "黒い霧" : 「まぁ、いいだろう………結論から言おう」
[メイン] "黒い霧" : 「"患者"次第だ」
[メイン] 熱牙風月 : 「…だよな」
[メイン] 熱牙風月 : 一番肝心の部分だ、そこは
[メイン] "黒い霧" : 「オレは、"真"に死を望む者にのみ、無痛の死を与える」
[メイン] "黒い霧" : そして─────黒い霧の中から、重さを感じさせるケースを取り出す。
[メイン] "黒い霧" : 「これは前金だ、瀧本氏のな」
[メイン]
"黒い霧" :
「オレは、瀧本氏の、決死の願いを聞き届けたに過ぎない
………が」
[メイン]
"黒い霧" :
「もし、"やっぱり死にたくない"………と宣うものならば」
足を組み替え。
[メイン]
"黒い霧" :
「─────"悪趣味"をするつもりはないな」
バックミラーに映るアクエリアスへと、視線をやる。
[メイン] アクエリアス : 「だ、そうですよ? エアリアルさン」
[メイン] エアリアル : 「……分かりました」
[メイン] エアリアル : 「なんとか…してみせます」
[メイン] "黒い霧" : 「なんとかしてみせる、か」
[メイン] "黒い霧" : 「…………ククク………ハハハハハハハハハハハハハハ!!!」
[メイン] "黒い霧" : 「"患者"の言葉もまだ聞いていないのにか?」
[メイン] エアリアル : 「勿論、これから聞きに行きます、でも時間は…もうちょっとかかると思います」
[メイン]
"黒い霧" :
「フッ………そうか」
死人のような顔に、薄っすらと笑みが浮かぶ。
[メイン] "黒い霧" : 「だが、オレはオレで準備を進めさせてもらう」
[メイン] "黒い霧" : そう─────不法入国のための、手段だ。
[メイン] "黒い霧" : 「お互い、"時間"との勝負だな」
[メイン] : ─────そして、女の周囲が黒い霧に包まれ、やがて消えた……かと思えば。
[メイン] "黒い霧" : 車の前方位置に出現し。
[メイン] "黒い霧" : 「"話し合い"は、保留だ」
[メイン] "黒い霧" : そう告げ。
[メイン] : ─────真っ黒な霧は、徐々に、徐々に消えかけていき。
[メイン] アクエリアス : 「一つだけ、お聞きしてもいいですかネ?」
[メイン] "黒い霧" : 「なんだ?」
[メイン] アクエリアス : 「何故、このような事ヲ?」
[メイン] アクエリアス : 「いくら力があるとはいっても、手間には違いはありませんし、何よりアナタはお医者さんでもなんでもないでしょウ?」
[メイン] "黒い霧" : 「………………」
[メイン] "黒い霧" : 「─────求められているからだ」
[メイン]
"黒い霧" :
「…………くだらん昔話などは、するつもりはないが
……安らかな死を望み、そして……感謝する者は、いる」
[メイン]
"黒い霧" :
「助からぬ命を、引き伸ばし続け
そして、その者の在りし日の姿が穢されるなどという冒涜は
……オレは、反吐が出るな」
[メイン] エアリアル : ……そうか
[メイン] エアリアル : 黒い霧さんも…自分で正しいと思ったことをやっているだけなんだ
[メイン] エアリアル : ……彼女が本当に正しいと思って、それで救われてる人がいるなら……本当は止めるべきことでもないのかもしれない
[メイン] エアリアル : でも、私達は出会ってしまった、それなら
[メイン] エアリアル : 関係ないからと見過ごして帰るわけにはいかないんだ
[メイン] エアリアル : 「……黒い霧さん!」
[メイン] "黒い霧" : 黒い霧の中、少女へと、真っ黒な眼を向ける。
[メイン] エアリアル : 「ありがとう、ごさいます。私達を邪魔だからと妨害しないでくれて…」
[メイン] エアリアル : 「だから…きっとそれに答えてみせます!」
[メイン] "黒い霧" : 「………………」
[メイン] "黒い霧" : 「……フン」
[メイン]
"黒い霧" :
「………死に急ぐ自殺志願者でないのならば、手を出す必要が無い
ただそれだけだ」
[メイン] "黒い霧" : 「勘違いをするなよ」
[メイン] アクエリアス : 「なァんだ、なら話は早イ」
[メイン] アクエリアス : 運転席に座ったまま、アクエリアスはニヤリと笑う。
[メイン] アクエリアス : 「エアリアルさん、熱牙さん、良かったですネ」
[メイン] アクエリアス : 「この話は、どうやら二者択一ではなくなったようですヨ」
[メイン] 熱牙風月 : 頬を吊り上げ、歯を見せてニヤリと笑い
[メイン] エアリアル : その言葉に
[メイン] エアリアル : 「……はい!」
[メイン] エアリアル : 元気に満ち溢れた顔でそう返す
[メイン] アクエリアス : 「黒い霧さん、もうどうせならなんですけド」
[メイン] アクエリアス : 「一緒に来ませんカ?」
[メイン] "黒い霧" : 「─────?」
[メイン] "黒い霧" : 「どういう了見だ?」
[メイン] アクエリアス : 「目的は一緒じゃあないですカ」
[メイン] アクエリアス : 「アナタは自殺する必要がない人を死なせるつもりはナイ」
[メイン] アクエリアス : 「我々は瀧本さんが自殺する必要があるようにはみえナイ」
[メイン] アクエリアス : 「なら、協力し合ったほうがいいでしょウ?」
[メイン] "黒い霧" : 「………………」
[メイン] アクエリアス : ニヤニヤと笑って、目を細める。
[メイン] "黒い霧" : 「……………チッ」
[メイン] アクエリアス : 「一晩で出来るハッピーエンド」
[メイン] アクエリアス : 「……興味ありますよネ?」
[メイン]
エアリアル :
「……一緒に…!?」
そう驚きの表情を見せるも
[メイン] エアリアル : 「いいですね!行きましょう黒い霧さんも一緒に!」
[メイン] "黒い霧" : 「………………」
[メイン] エアリアル : 「あ…いえ、でも無理にとは…」
[メイン] "黒い霧" : 「…………オレの脅しで、お前らは従わざるを得なかった」
[メイン] "黒い霧" : 「オレはFHらしく、"日常"を出汁に、お前らを利用する」
[メイン] "黒い霧" : 「…………」
[メイン]
"黒い霧" :
「……救われる命は、より良いものの方が、望ましい」
ぼそりと、そう呟く。
[メイン] 熱牙風月 : 「オイオイ、そいつは少し問題あるだろう。俺達は、なにせ」
[メイン] 熱牙風月 : 車に寄りかかりながら、表情を帽子で隠したまま呟き
[メイン] 熱牙風月 : 「お互いの名前も知らないんだぜ? 自己紹介くらいしようや。社会人だしよ」
[メイン] 熱牙風月 : 車から離れ、大きく礼をして
[メイン] "黒い霧" : 「…………チッ」
[メイン] 熱牙風月 : 「俺は風月、熱牙風月。ハードボイルドな探偵だ」
[メイン]
エアリアル :
「それもそうですね…」
風月の言葉に納得し
[メイン] エアリアル : 「私はエアリアル、ガンダムです」
[メイン] "黒い霧" : 「……………本名を名乗るテロリストなど、いるか」
[メイン] "黒い霧" : 「…………」
[メイン] "黒い霧" : 「……霧子だ」
[メイン] エアリアル : その言葉に、パアッと顔を明るくし
[メイン] エアリアル : 「よろしくお願いします!霧子さん!」
[メイン] 熱牙風月 : 「よろしくな霧子! 悪いけど俺も乗るから詰めてくれ」
[メイン] "黒い霧" : 「…………」
[メイン] 熱牙風月 : ヘラヘラ笑いながら車の扉を開ける
[メイン] :
[メイン]
"黒い霧" :
女は黒い霧に消え。
そして─────。
[メイン] "黒い霧" : 「フン」
[メイン] "黒い霧" : 足を組んで座ってた。
[メイン] 熱牙風月 : …意外過ぎるほど素直だな。一発くらい殴られるかと思った
[メイン] 熱牙風月 : 乗り込みながら、若干安堵しつつシートベルトを付ける
[メイン] アクエリアス : 「では、新たな仲間も加わりましたシ」
[メイン] "黒い霧" : 「仲間じゃない」
[メイン] アクエリアス : 「よろしくお願いしますね? 霧子さン」
[メイン] "黒い霧" : 「……チッ!」
[メイン] アクエリアス : そして、ペダルに足を込めて、車を発進させようとしたところで思いとどまり。
[メイン] アクエリアス : 「……ところで霧子さン」
[メイン] アクエリアス : 「車の運転って出来まス?」
[メイン] アクエリアス :
[メイン] アクエリアス :
[メイン] アクエリアス :
[メイン] アクエリアス :
[メイン] エアリアル : ……霧子さんが言ってた通り、確かに私達には時間がない
[メイン] エアリアル : このままでは、確実に時間がないのも事実だ
[メイン] エアリアル : だけど、それでも
[メイン] エアリアル : 私は一人じゃない
[メイン] エアリアル : 皆、きっとこの件について想い悩んでいる
[メイン] エアリアル : 今、ここには居ない白銀さんや、修さんだってきっと…
[メイン] エアリアル : …だから
[メイン] エアリアル : きっと、間にあう
[メイン] エアリアル :
[メイン] エアリアル :
[メイン]
エアリアル :
能動判定
豊則さんの息子さんの詳細な情報
[メイン] GM : 20
[メイン] エアリアル : まずマイナー、オリジン:サイバー
[メイン] system : [ エアリアル ] 侵蝕率 : 70 → 72
[メイン] エアリアル : 更に砂の加護…そして
[メイン] system : [ エアリアル ] 侵蝕率 : 72 → 75
[メイン]
エアリアル :
ロイス取得
霧子 ○ありがとう/畏怖
本当にありがとうございます…霧子さん
[メイン] system : [ エアリアル ] ロイス : 2 → 3
[メイン]
エアリアル :
ロイス3消費!
C値を7に!
[メイン] エアリアル :
[メイン] エアリアル : (1+1+2)dx7+2 【社会】 (4DX7+2) > 10[2,3,5,7]+10[9]+10[10]+4[4]+2 > 36
[メイン] GM :
[メイン]
GM :
・豊則さんの息子さんの詳細な情報
本名:瀧本 治夫 年齢:30代 職業:カメラマン
花火職人の父を持ち、父の打ち上げた花火を撮った写真を褒められたことで
そこから、カメラの魅力にハマっていくこととなる。
以降、カメラマンとしての夢を追いかけようとするも、花火職人の後を継ぐようにと父親に迫られる。
治夫の父、豊則は頑固で、非常に厳しい性格をしたこともあり、それまで耐えてきたストレスが爆発し、大喧嘩をする。
そして、家出をするような形で出て行ってから、かれこれ十年程度経過したままとなっている。
今も父のことは嫌いだと思っている。
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM : climax『Dead leaf life』 登場:任意
[メイン] アクエリアス : 1d10 (1D10) > 1
[メイン] system : [ アクエリアス ] 侵蝕率 : 58 → 59
[メイン] エアリアル : 75+1d10 登場/リザレクト (75+1D10) > 75+7[7] > 82
[メイン] system : [ エアリアル ] 侵蝕率 : 75 → 82
[メイン] system : [ エアリアル ] 侵蝕率B : 1 → 2
[メイン] 櫻田修 : 62+1d10 登場/リザレクト (62+1D10) > 62+4[4] > 66
[メイン] 本間 白銀 : 43+1d10 登場/リザレクト (43+1D10) > 43+10[10] > 53
[メイン] system : [ 櫻田修 ] 侵蝕率 : 62 → 66
[メイン] system : [ 本間 白銀 ] 侵蝕率 : 43 → 53
[メイン] 熱牙風月 : 59+1d10 登場/リザレクト (59+1D10) > 59+3[3] > 62
[メイン] system : [ 熱牙風月 ] 侵蝕率 : 59 → 62
[メイン] アクエリアス :
[メイン] アクエリアス : アクエリアスの代車の軽では全員乗り切らなかったので、道中、霧子の金でレンタカーを調達し、三列シートのワゴンにした。
[メイン] アクエリアス : そこに滝本氏も引き入れ、今は車内に合計で7人もの関係各位が勢揃いしている。
[メイン] アクエリアス : 行き先は、まだ瀧本には伝えていない。
[メイン]
アクエリアス :
「では、改めてお話をどうゾ」
助手席でリラックスしながら、そう一同に促して、アクエリアスは笑う。
[メイン]
瀧本 豊則 :
「……………?」
目をしょぼしょぼとさせている。
[メイン] 本間 白銀 : 促された手に、ふぅ、と笑いつつも。
[メイン]
本間 白銀 :
「読んでいたけれども、途中で栞を挟んだ本
それを何年も経った後に開くのは、勇気がいることです」
[メイン]
本間 白銀 :
「どこまで内容を覚えている?
果たして本の細部は覚えられているだろうか…と」
[メイン]
本間 白銀 :
「そうやって、何度も読もうとしては挫折してしまう。……私もよくありました。
……今から向かうのは、瀧本さんのご子息がいらっしゃるところです」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「…………!!……そ、そう、か………」
[メイン]
瀧本 豊則 :
「……………は、はは、お二人に……せがれと会うのを約束したというのに
……ここにきて、情けないことに……緊張が……」
[メイン]
"黒い霧" :
車内で足を組んで座り、瀧本氏の言葉を聞きながら。
他の者達の言葉を待つ。
[メイン]
本間 白銀 :
いつものような口調でそう言いつつも、白銀の声は少し震えていた。
……緊張、しているのか。私が会いに行くわけでもない……なのに、彼がこれからすることを思えば、何故か……
と、体が強張りつつも。
[メイン]
"黒い霧" :
─────そして、エアリアルへと真っ黒な瞳を向ける。
"患者"の言葉、聞くのだろう?と。
[メイン] エアリアル : 「緊張…するの、は…情けなくなんかないと…思います」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「………!」
[メイン] エアリアル : 「誰だって…怖い事、しなきゃいけない事、緊張します」
[メイン] エアリアル : 「でも…緊張するのは…その事にちゃんと向き合ってるから」
[メイン] エアリアル : 「だから、情けないなんて…そんな事無い、です」
[メイン]
瀧本 豊則 :
「………………ありがとう、ございます」
エアリアルの言葉を聞き、小さく頷きながら。
[メイン] 熱牙風月 : 「…すみませんね、瀧本さん。俺達が頭捻って考えた結果は、あなたに大きく負担を掛けちまう」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「あ、ああ、いえいえ………これは……」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「……私自身、そうしたいと……願ったもの、ですから」
[メイン] "黒い霧" : 「…………フン」
[メイン]
"黒い霧" :
「………依頼人からの依頼破棄、か」
ぼそりと、そう呟く。
[メイン] 櫻田修 : 「…大丈夫ですよ。瀧本さんが魂を込めて作った花火を見ているんですから、気持ちは絶対伝わってます」
[メイン]
櫻田修 :
「それに…会わなかったらきっと後悔します。息子さんが。
息子さんのためにもどうか、よろしくお願いします」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「…………!………はは」
[メイン]
瀧本 豊則 :
「私の息子も……あなたのように素直だったら
もっと楽だったでしょうに、ね」
冗談めいたように、少し笑い。
[メイン] 瀧本 豊則 : そして老人は、ゆっくりと目を閉じながら。
[メイン] 瀧本 豊則 : 「……………ありがとうございます、皆さん」
[メイン]
瀧本 豊則 :
意を決したように、目を開き。
そして、車のドアを開く。
[メイン]
本間 白銀 :
「……瀧本さん」
ガチャリ、という音が聞こえて、顔をそちらへと上げて。
[メイン]
本間 白銀 :
そして、ふらふらと、無地のハンカチを手渡そうとする。
もっとも、相手の位置がわからないので、手はおぼつかない。
[メイン] 瀧本 豊則 : 「………!」
[メイン] 瀧本 豊則 : ─────そのハンカチを、受け取る。
[メイン]
瀧本 豊則 :
「……はは、今度は……泣かないように頑張ります、が
………万が一、ということもありますからね」
[メイン]
本間 白銀 :
ハンカチを掴む手から、彼の肌に触れる。
皺が刻まれ、筋肉がしぼみ、血管が浮き出たその手に。
[メイン]
本間 白銀 :
果たして、どれほどの苦労が見えただろう。
こんな体じゃ、動くのすら苦しいだろうに。
[メイン] 瀧本 豊則 : 「………………」
[メイン]
本間 白銀 :
「……私も、あなたのように……挑戦を諦めません。
……不可能を必ず、可能にすると……約束します」
[メイン] 本間 白銀 : 伏せた顔で、そう呟き。
[メイン] 本間 白銀 : そして、彼の言葉を受け、ゆっくりと顔を上げて。
[メイン]
瀧本 豊則 :
「…………ええ」
頷き。
[メイン] 本間 白銀 : 「……花火が湿気っても、きっと……咲きますよ」
[メイン]
瀧本 豊則 :
目を少し丸くしながらも。
「…………はは、粋なことを言いますな」
[メイン] 本間 白銀 : それににこっ、と微笑んで。
[メイン] 瀧本 豊則 : 「……あなたの頁は、私よりもまだ多くあります」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「私のように、後悔することのないように」
[メイン]
瀧本 豊則 :
「一頁ずつ、じっくりと……あなただけの人生を進んでください
……と、老いぼれからの送り言葉ですね」
[メイン]
瀧本 豊則 :
ふっ、と穏やかな表情で笑い
そして、老人とは思えない軽やかな足取りで、歩いていく。
[メイン] 瀧本 豊則 :
[メイン] 瀧本 豊則 :
[メイン] 瀧本 豊則 : しわしわの指で、インターホンを押す。
[メイン] 瀧本 豊則 : ぴーんぽーん。
[メイン] 瀧本 豊則 : 患者衣の老人は、返事を待つ。
[メイン] 瀧本 豊則 : ─────もう、自分でも分かっている。
[メイン] 瀧本 豊則 : 残り時間は………。
[メイン]
瀧本 豊則 :
もう、この空を見上げることすらもできない。
この空気を吸うことも、足を動かすことも、手を動かすことも
何もかもが、できなくなる。
[メイン]
瀧本 豊則 :
………不安は、無いと言ったら嘘になる。
しかし……今、心の中にある思いは、たった一つ。
[メイン] 瀧本 豊則 : どうせ死ぬなら、後悔のないようにしたい。
[メイン] : ガチャッ。
[メイン] : そして、扉が開かれる。
[メイン] 瀧本 治夫 : 「─────あ?」
[メイン] 瀧本 治夫 : 「……誰だ?爺さん………あーーー………?……あ……???」
[メイン]
瀧本 治夫 :
煙草を咥えた金髪の男は、玄関前にいる男を見て
目を数回瞬きをし、凝視をする。
[メイン] 瀧本 豊則 : 「何をしている治夫」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「いつまで父親を立たせるつもりだ?」
[メイン] 瀧本 豊則 : ─────つい、挑戦的な口調となってしまう。
[メイン] 瀧本 治夫 : 「なッ………!?」
[メイン] 瀧本 治夫 : ぽろりと、煙草が落ちる。
[メイン]
瀧本 治夫 :
「お、親父ィッ……!?いや、ありえねぇって……!!!
そもそもこの場所、親父に教えてなんかねぇってのに……!!」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「上がるぞ」
[メイン] 瀧本 豊則 : 時間は、無い。
[メイン] 瀧本 豊則 : ずかずかと、息子の横を通り過ぎ、家に勝手に上がる。
[メイン]
瀧本 治夫 :
「!?!?!? ちょ、ちょいちょいちょい待てよッ!?
誰が上がっていいっつった!?クソ……!!!」
[メイン]
瀧本 治夫 :
苦虫を嚙み潰したような表情で、頭を掻きながらも
父親に対し苦手意識があったためか、そして負い目もあったためか
強い反抗もできずに、リビングまで向かう父の後を追いかける。
[メイン] 瀧本 治夫 :
[メイン]
瀧本 治夫 :
─────なんだこれ?
俺は、悪夢でも見てんのか……?
[メイン]
瀧本 治夫 :
かち、かち、かち。
時計の針が進む音だけしか聞こえない。
[メイン]
瀧本 治夫 :
テーブルに置かれた、緑茶の入った湯呑と
そして、向かい合わせに座る治夫と、豊則。
[メイン] 瀧本 治夫 : 「………」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「………」
[メイン] 瀧本 治夫 : 「…………」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「…………」
[メイン]
瀧本 治夫 :
「……いや、何か用があって来たんだろ!?
んだよ!黙ってねぇでなんか言えよ!?」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「………ああ、そうだな」
[メイン]
瀧本 治夫 :
あーーー……?なんだよ親父、ヤケに素直っつーか……?
昔はもっと……横暴だったよな?
[メイン] 瀧本 豊則 : 「……治夫、まずは煙草をやめろ、体に悪いぞ」
[メイン] 瀧本 治夫 : 「は?俺の勝手だろ……」
[メイン]
瀧本 豊則 :
「髪も目が痛くなるような色にしよって……
男は黙って黒が一番だろうに」
[メイン]
瀧本 治夫 :
「価値観が古いんだよ!アップデートしやがれってんだ!
今の時代は染めるのも個人の自由っつーか
誰にも縛られるようなもんじゃねーんだよ!」
[メイン] 瀧本 治夫 : 「つーか!そんなつまんねぇことを言うためにここに来たのかよ!!」
[メイン]
瀧本 治夫 :
話の容量が掴めず、苛立ちが隠し切れないまま
ドン!!と、テーブルに拳を叩きつける。
[メイン] 瀧本 豊則 : それに対しても、静の状態の豊則。
[メイン]
瀧本 豊則 :
─────その時、その振動によって
はらりと、患者衣の胸元に入れていた、1枚の写真が落ちる。
[メイン] 瀧本 治夫 : 「………………あ?」
[メイン] 瀧本 治夫 : それに目をやる。
[メイン] 瀧本 治夫 : ……これって………?
[メイン] 瀧本 豊則 : 「…………ああ」
[メイン] 瀧本 豊則 : その写真は、まだ若い頃の豊則と、その妻の楽しげな写真を撮ったものであり。
[メイン] 瀧本 治夫 : 「……………」
[メイン] 瀧本 治夫 : 「………へったくそだな」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「全くだ」
[メイン] 瀧本 治夫 : 「うるせぇよ」
[メイン]
瀧本 治夫 :
─────その写真は、まだ治夫が小学生にも満たない頃に
自分の両親を写真に撮ったものであった。
[メイン] 瀧本 治夫 : 始めて、カメラに触った瞬間でもあった。
[メイン] 瀧本 治夫 : 「………もっと映りのいいもんあっただろ」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「……………」
[メイン] 瀧本 豊則 : ふと、視線を部屋に飾られている一枚の写真に目を向ける。
[メイン] 瀧本 豊則 : 「……………よく撮れているな」
[メイン] 瀧本 治夫 : 「あ?………あッ!?」
[メイン] 瀧本 治夫 : ─────そこには。
[メイン] 瀧本 治夫 : 大きな花火を、綺麗に写真に収めたものが。
[メイン] 瀧本 治夫 : 「バッ!アレはだな!!たまたまっつーかな!!」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「………………そうか」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「………なぁ、治夫」
[メイン] 瀧本 治夫 : 「……」
[メイン] 瀧本 治夫 : 「………んだよ、クソ親父」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「がんばれよ」
[メイン] 瀧本 豊則 : ─────治夫の肩に、しわしわの手を乗せ。
[メイン] 瀧本 豊則 : 「………もう二度は言わんぞ、じゃあな」
[メイン] 瀧本 豊則 : そして、老人は立ち上がり、そのままずかずかと玄関まで向かって行った。
[メイン] 瀧本 治夫 : 「は!?」
[メイン]
瀧本 治夫 :
呆気にとられたような表情で、その後ろ姿をただ
目で追いかけるしかできなかった治夫。
[メイン]
瀧本 治夫 :
かち、かち、かち。
時計の針が進む音だけが、またこの場を包み込んだ。
[メイン] 瀧本 治夫 : 「…………っぱ、夢でも……見てんのか……?」
[メイン] 瀧本 治夫 : 「…………」
[メイン] 瀧本 治夫 : 「………チッ」
[メイン] 瀧本 治夫 : 「……煙草、少しくらい辞めてやるか」
[メイン] 瀧本 治夫 :
[メイン] 瀧本 治夫 :
[メイン] 瀧本 治夫 :
[メイン] 瀧本 治夫 : ─────そして、その次の日に電話があった。
[メイン] 瀧本 治夫 : 親父が、死んだらしい。
[メイン] 瀧本 治夫 : Y市にある中央病院で。
[メイン] 瀧本 治夫 : 「…………」
[メイン] 瀧本 治夫 : あっそ。
[メイン] 瀧本 治夫 : とーと、くたばりやがったか。
[メイン] 瀧本 治夫 : はっ、ざまーねーし。
[メイン] 瀧本 治夫 : どうせ、一人で、寂しく死んだんだろうな。
[メイン] : ぽた、ぽた。
[メイン] 瀧本 治夫 : 「は、ははっ、ざまあだぜ、ざまあ」
[メイン] : ぽた、ぽた。
[メイン] 瀧本 治夫 : 「………あ、あぁぁ……」
[メイン] 瀧本 治夫 : 「……うああああぁああああああああッッ!!!」
[メイン] 瀧本 治夫 : 「親父ぃいいいいぃぃいいいいいいいいいいいいいい!!!!」
[メイン] 瀧本 治夫 : ─────大きな、綺麗な花火を収めた写真に落ちる、雨。
[メイン] 瀧本 治夫 :
[メイン] 瀧本 治夫 :
[メイン] 瀧本 治夫 :
[メイン] 本間 白銀 : climax「頁の先が見えずとも」登場:任意
[メイン] 本間 白銀 :
[メイン] 本間 白銀 :
[メイン] 本間 白銀 :
[メイン]
:
────瀧本豊則に残された時間は、わずかだった。
[メイン]
:
その時間が進むにつれ足腰も弱まっており。
櫻田修、本間白銀と喋っていた後、立つこともままならず、近くにあった簡単な組み立てイスに座っていた。
[メイン]
:
おそらく、黒い霧が見越して置いていったものだろう。
患者への配慮を欠かさない医者の行動だ。
[メイン]
:
そして、今は瀧本豊則の迎えを待つ時間だった。
本来なら、この後、車が瀧本、本間、櫻田を拾いに来るはずなのだが────
[メイン] : 当の瀧本は、目隠しをされていた。
[メイン] 本間 白銀 : 「……少々、驚かせたいもので」
[メイン] : との言葉と共に、瀧本の目は塞がれ、衰えた五感の、その一つが使えない状態となっていた。
[メイン] 瀧本 豊則 : 「あ、ああ………」
[メイン] 瀧本 豊則 : ─────その声は、明らかに……衰弱していた。
[メイン] 瀧本 豊則 : 掠れた声、肺の機能すらも、既に5割以上が停止している状態であった。
[メイン]
:
────目隠しをされて少し時間が経った後。
衰弱した老人には、少しばかり肌寒く、風がひゅうと響く、夜だったが。
[メイン] : ざく、ざく。
[メイン] : 瀧本の足に、何かを踏むような感覚が。
[メイン] 瀧本 豊則 : 「………………?」
[メイン]
:
ざくざくと、動かせばまとわりつくような感覚。
これは────砂だ。
[メイン] 瀧本 豊則 : 「─────………!」
[メイン] : それを感じるとともに、瀧本の体は、熱い風に吹かれる。
[メイン] : 乾いてもいない、湿気の含まれているでもない────例えるならそれは、南国のような風。
[メイン] : ざざん、ざざぁん。
[メイン] : 瀧本の耳元に、水が跳ねる、波音が聞こえる。
[メイン] : 瀧本の鼻に、塩辛い風の匂いが感じられる。
[メイン]
瀧本 豊則 :
ぷるぷると、触れる手。
ゆっくり、ゆっくりと、上がる腕。
[メイン] : ────そして。
[メイン] : かちっ。
[メイン] : ……ひゅるるるるるるるるるるるる
[メイン] : ────ドォン。
[メイン] 瀧本 豊則 : 「……………………!!」
[メイン] 瀧本 豊則 : 目隠しされた状態ながらも─────。
[メイン] 瀧本 豊則 : 空を、見上げる。
[メイン]
:
目隠しをされている彼の目には、黒しか映らない。
[メイン] : けれど、彼の頭にはきっと、思い浮かんでいることだろう。
[メイン] : ────自身の上げた一つの花火が。
[メイン] 瀧本 豊則 : 「………は………は、は………」
[メイン] 瀧本 豊則 : ふがふがと、覚束ない口で、言葉を紡ごうとしながら。
[メイン] 瀧本 豊則 : つぅ……と、目隠しの下から涙が一つ、流れ落ちる。
[メイン] : その余韻が、何秒、何分と過ぎて言った後。
[メイン] 本間 白銀 : 「……いかがでしたでしょうか、瀧本さん」
[メイン] 本間 白銀 : ゆっくりと、アイマスクを外される。
[メイン]
本間 白銀 :
もちろん、そこに広がっているのは、夜の路地裏。
グアムも、花火も……見えはしない、が。
[メイン]
瀧本 豊則 :
くしゃりと、顔を歪ませながら。
涙を流し続け、白銀の方を、ゆっくり、ゆっくりと見て。
[メイン] 瀧本 豊則 : 「い……い………」
[メイン] 瀧本 豊則 : 「じ……せ…………い………だ……た………」
[メイン] 瀧本 豊則 : そして、掠れた声すらも聞こえなくなっていき。
[メイン] 瀧本 豊則 : 口だけが、最後に動く。
[メイン] 瀧本 豊則 : ア
[メイン] 瀧本 豊則 : リ
[メイン] 瀧本 豊則 : ガ
[メイン] 瀧本 豊則 : ト
[メイン] 瀧本 豊則 : ウ
[メイン] 瀧本 豊則 : ─────それはもう、白銀には決して見えないもの。
[メイン] 瀧本 豊則 : 瀧本 豊則は、その生涯を終えた。
[メイン] 本間 白銀 : 「────────」
[メイン]
本間 白銀 :
見える、わけがない。
進む道の先も、本の文字も、大切な身内の姿も。
────目の前の灯が消えたことですら、白銀にはわからない。
[メイン] 本間 白銀 : だが、白銀には────わかる。
[メイン] 本間 白銀 : 瀧本さんが、その鼻を、耳を、肌を、体で感じたように。
[メイン] 本間 白銀 : 白銀もまた。
[メイン] 本間 白銀 : 「…………………っ」
[メイン]
本間 白銀 :
閉じた瞼の裏から、熱いものが流れてくる。
温まった肌は、じんじんと熱して、思わず顔を彼へと伏せて。
[メイン] GM : ─────もう、冷たくなっていた。
[メイン] 本間 白銀 : もう……冷たい皺を、ぎゅっと掴むように。
[メイン] 本間 白銀 : 「…………こちらこそ……っ………」
[メイン] 本間 白銀 : 「……………豊則…………さん…………」
[メイン] 本間 白銀 : ぽろぽろと、零れていく。
[メイン] 本間 白銀 : ────頁をめくるにつれて、本の厚さは薄くなっていく。
[メイン]
本間 白銀 :
最初は何ともなかった一枚が、めくるたびに、あと少しで終わってしまう。
そんな気持ちに駆られてしまう。だから、こそ。
[メイン] 本間 白銀 : 全て読み切った後は…………もう。
[メイン] 本間 白銀 : ……………これが、終わり……なんだ。
[メイン] 本間 白銀 : 「……………っ、ぐすっ……ぅ、っ……」
[メイン] 本間 白銀 : 「…………っ、あなたの……花火…………」
[メイン] 本間 白銀 : 「とても……綺麗に、見えました………」
[メイン] 本間 白銀 : ────でも、この気持ちは振りきらないといけない。
[メイン] 本間 白銀 : 花火は祭りの終わりに打ち上げる、別れの花だ。
[メイン] 本間 白銀 : だから────例え心残りでも、悲しくても、何でも。
[メイン] 本間 白銀 : ゆっくりと顔を上げて。
[メイン] 本間 白銀 : 「……頑張り、ます……………っ」
[メイン] 本間 白銀 :
[メイン] 本間 白銀 :
[メイン] 本間 白銀 :
[メイン] エアリアル : ED「出合い…そして」登場:任意
[メイン] エアリアル :
[メイン] エアリアル :
[メイン]
エアリアル :
豊則さんを白銀さんが見送って、全てが終わった後…
エアリアルと霧子は廃病院の屋上にいた…
[メイン] "黒い霧" : 風に、"黒い霧"の灰色の髪が靡く。
[メイン] "黒い霧" : 「………お前らの勝ちだ」
[メイン] "黒い霧" : それだけ告げ、ポケットに手を突っ込む。
[メイン]
エアリアル :
「これで…終わったんですね」
…だが、目的を果たしたはずの少女はやり遂げたという顔だけではなく
[メイン] エアリアル : 少し、淋しそうにもしていた
[メイン] "黒い霧" : 「………………」
[メイン]
"黒い霧" :
「……"患者"は、救われた、そしてお前達の"仕事"も
レネゲイドの汚染防止であったか、それも上出来な方であろう
……何を浮かない顔をしている?」
[メイン] エアリアル : 「それは……これが終わったら、私達はUGNとFHの関係、で」
[メイン] エアリアル : 「また…敵同士に、なっちゃって…」
[メイン]
エアリアル :
「名前だって…覚えたのに」
[メイン] "黒い霧" : 「…………………」
[メイン] "黒い霧" : 「……………………"エアリアル"」
[メイン] エアリアル : 「……はい」
[メイン]
"黒い霧" :
「お前は、一体"何"を目的にして、UGNの協力者として
その"仕事"を全うしている?」
[メイン] エアリアル : 「私は……」
[メイン] エアリアル : 「……あそこには、友達がいて、この病気のせいで、苦しんでる人もいて…」
[メイン] エアリアル : 「だから、そういう人を、被害から守りたくて…」
[メイン] "黒い霧" : 「………………フッ」
[メイン] "黒い霧" : ほんの少しだけ、頬を緩ませて、踵を返し。
[メイン] "黒い霧" : 「なら、確かに"敵"になることもあるだろうな?」
[メイン] "黒い霧" : 「だが」
[メイン] "黒い霧" : 少し振り返り、エアリアルを真っ黒な瞳で見やり。
[メイン] "黒い霧" : 「─────いつか、お前の味方になることも、無くはないだろうな」
[メイン] エアリアル : 「……!」
[メイン] "黒い霧" : 「オレはこう見えても、医者だ」
[メイン]
"黒い霧" :
「救える命は、救えるに越したことはない
………そうは思わないか?
[メイン] エアリアル : 「霧子…さん…!」
[メイン]
"黒い霧" :
「お前は、太陽の光が当たる道を、突き進め
それがきっと─────お前にとっての、正しい道だ」
[メイン]
"黒い霧" :
「オレは影でいい
光の届ない場所は、オレがやる」
[メイン]
"黒い霧" :
「たったそれだけのことだろう?」
再度、フッ、と笑いながら。
[メイン]
エアリアル :
「……はい!」
その言葉に、淋しそうな顔はすっかり消え
[メイン] エアリアル : 「そ、それじゃあ…!」
[メイン] エアリアル : 「頑張りましょう…!お互いに…」
[メイン] エアリアル : 「信じている、正しい事の為に!」
[メイン] "黒い霧" : そよ風に、二人の髪が揺れる。
[メイン] "黒い霧" : 「─────ああ、いいだろう」
[メイン] "黒い霧" : 「せいぜい、死ぬなよ?」
[メイン] エアリアル : 「…はい!」
[メイン] "黒い霧" : 軽口と共に、エアリアルの足元へケースを投げる。
[メイン] "黒い霧" : 「そいつは土産だ、持っていけ」
[メイン] "黒い霧" : 「瀧本氏から受け取った前金だが─────」
[メイン]
エアリアル :
「……へっ!?わ…私に…ですか?」
[メイン] "黒い霧" : ニヤリと笑い。
[メイン] "黒い霧" : 「開けてみろ」
[メイン] エアリアル : 言われた通り、ケースを開ける
[メイン] "黒い霧" : ─────そこには。
[メイン] "黒い霧" : 何も、無かった。
[メイン] "黒い霧" : 「……ククク……!ハッハッハッハッハッハッハッハ!!」
[メイン] エアリアル : 「…えっ?ええっ!?」
[メイン] "黒い霧" : 「グアム行きのボートの手配にな、全て無くなってしまったよ」
[メイン] "黒い霧" : 「オレの"仕事"は、"赤字"だ」
[メイン] エアリアル : 「そ、そうだったんですか…」
[メイン]
"黒い霧" :
「UGNとしては、良いことだろう?
ククク、手土産話として持っていけ
調べれば足もすぐにつくだろう」
[メイン] "黒い霧" : 「昇給でもして、美味いもんでも食ってろ」
[メイン]
エアリアル :
「……なんか、色々とすいません…」
赤字になったことに、忍び無さそうな顔を見せて
[メイン]
"黒い霧" :
「気まぐれだ、気にするな」
そう告げ、踵を返すと、女の周囲が黒い霧に包まれていく。
[メイン] "黒い霧" : 「じゃあな」
[メイン] エアリアル : 「…あっ!それなら!」
[メイン] "黒い霧" : 「………?」
[メイン] エアリアル : 「このケースは、私が前金としてもらっておきます、だから…」
[メイン] エアリアル : 「もし、”UGNとして手伝える事”があれば…私に依頼をください!」
[メイン] "黒い霧" : 「……………フッ」
[メイン] "黒い霧" : 「考えておいてやるよ」
[メイン] エアリアル : 「はい!では…」
[メイン] エアリアル : 「…お元気で!」
[メイン] "黒い霧" : 「……………………ああ」
[メイン] "黒い霧" : ─────そして、黒い霧に包まれた女は、やがて。
[メイン] : その姿を消した。
[メイン] エアリアル : その消える影に、ただ
[メイン] エアリアル : 礼を、送っていた
[メイン] エアリアル :
[メイン] エアリアル :
[メイン] 熱牙風月 : ED『さよならへの御法度』
[メイン] 熱牙風月 :
[メイン] 熱牙風月 : 事件は終わり、皆日常へと戻っていく
[メイン] 熱牙風月 : 瀧本さんの葬儀には……残念ながら、顔は出せないだろう。彼が日常にいた頃には、さっぱりと縁が無かった
[メイン]
熱牙風月 :
……あの家の中で、何があったのか俺は知らない
[メイン] 熱牙風月 : ただ、瀧本さんが満足の行くお別れが出来たと言う事はわかるので、それは良いんだが
[メイン] 熱牙風月 : 「…お別れか、さよならって言うのは大事だよな」
[メイン]
熱牙風月 :
区切りをつける事は、寂しくもあり
同時に共にあった事を確かにする約束の様な物だ
[メイン]
熱牙風月 :
離れるのだから、共にいた
寂しいのだから、嬉しかった
[メイン] 熱牙風月 : 「やっっっっと、少しわかってきたよ。俺の方は」
[メイン] 熱牙風月 : 事務所までの道すがら、愚痴を溢すように幾らか、遠い姿に語りかけた後
[メイン] 熱牙風月 : 「…俺も、しっかりと──」
[メイン] 熱牙風月 :
[メイン] 熱牙風月 : 言っておくべきだったかな。“帰ってこい”とかさ
[メイン] 熱牙風月 :
[メイン] 熱牙風月 :
[メイン] 櫻田修 : ED『日常への帰路』
[メイン] 櫻田修 :
[メイン] 櫻田修 :
[メイン]
櫻田修 :
瀧本さんの訃報を受け取ったその日の帰り道
一人、家族というものを想ってみた
[メイン]
櫻田修 :
…オレは幸いなことに、家族に恵まれた
父さんが、家族に憧れたことが理由らしいけど、おかげで毎日騒がしく生きている
[メイン] 櫻田修 : 幸せはその中にいるうちは気づかないとは誰の言葉だったか
[メイン]
櫻田修 :
……今回、瀧本さんと話せて良かった
彼の、人生の先輩としての言葉や思いは、オレに家族の大切さを気づかせてくれた
[メイン]
櫻田修 :
愛してくれる両親、優しく見守ってくれる姉、可愛い妹弟たち
それらは、大切な日常で、宝物だと
[メイン] 櫻田修 : (慣れ切っててそんなこと口に出すこともなかったなぁ)
[メイン] 櫻田修 : 改めて、この日常は守らなければならないものだと心に誓う
[メイン]
櫻田修 :
と、同時に
たまには感謝の念を伝えなきゃなと思う
[メイン] 櫻田修 : 「……とは言っても脈絡なく言うのは恥ずかしいしな…」
[メイン] 櫻田修 : そんな時、ふと目に入ったのは玩具屋
[メイン] 櫻田修 : ……ここ数年、家族と花火してないな
[メイン] 櫻田修 : なんて発想に至ったのは、瀧本さんのことを考えていたからだろうか
[メイン] 櫻田修 : 季節外れだが、花火が残っているかもしれない
[メイン] 櫻田修 : 「たまには妹弟共のために身銭を切ってやらんとな」
[メイン] 櫻田修 : 誰に向うでもない言い訳を呟きつつ店に向い
[メイン] 櫻田修 : 「すいません。花火はありますか?」
[メイン] 櫻田修 : 日常への帰路のお供探しが始まった
[メイン] 櫻田修 :
[メイン] 櫻田修 :